働き方改革を始めるときの課題設定アプローチの仕方

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

働き方改革に取り組む際に共通のビジョンをつくることの大切さを、以前からこのブログでも書いています。

働き方改革として考えるビジョンには、会社全体としての「なぜ働き方改革に取り組むのか」「この取組みの結果、社員がどのように幸福になるのか」というものと、普段の働くチーム(職場)単位の目指す働き方としての「ゴールイメージ」の2つがあります。

そもそも、会社としてなぜ取り組むのか、どうなりたいのか というのはベースにあるとして、チーム単位の「ゴールイメージ」がなぜ必要なのか というと、メンバー全員の共感がなければ働き方改革はすすまないからですね。なので、ゴールイメージづくりにはメンバー全員の参画が必須です。

 

ゴールイメージづくりにあたって、始めにメンバーに問いかけるのは「普段仕事していて、もったいないと感じることは?」という質問です。
(このことはこちらでも書いています)

この質問に対して、付箋を使った会議で意見集約していきます。
(この会議のやり方も改めて紹介したいと思います)

 

「もったいないと感じることは」と質問するのには理由があります。

問題解決には2つのアプローチがあります。

ポジティブアプローチとギャップアプローチです。

ポジティブアプローチは未来創造型課題達成と言われます。
ありたい姿に到達するために必要な課題を設定し取り組むイメージです。現状からプラスの状況を実現するイメージです。

ギャップアプローチは不具合原因追求型問題解決と言われます。
今、起きている問題に対して問題の原因を追究し、解決していくイメージです。マイナスからゼロに戻すようなイメージです。

こんな感じです。

 

先ほどのゴールイメージづくりの場で、「問題と感じていることは?」という質問をすると、現状に対してマイナスだと思っていることが出てきやすくなります。なので、残業が多いとか、休みが少ないとか、特定の人に仕事が偏っているというようなことが意見として出てきます。

ここで、「もったいないと感じることは?」と質問すると、レベルの差こそあれ、それぞれのメンバーなりに「こうなったらいい」という自分のありたい姿に対しての意見、つまりプラスに向かってのことが出てきやすくなるという効果があります。なので、情報共有ができてないとか、属人化しているとか、チームとして働くという視点での意見が出てきます。

 

もう少し違う説明をしてみましょう。

例えば、ダイエットしている女性がいて、最近、体重が増えてきたと感じているとしましょう。

これをギャップアプローチで考えると、最近食べ過ぎている とか、運動不足だ ということが原因と考え、食べる量を減らす とか、朝のウォーキングの距離を増やす という解決方法を導いて実践する となります。

一方、ポジティブアプローチで考えた場合、なぜ体重を落としたいと考えているかというと、○○さんのような女性になりたい というありたい姿があって、体重を落とすという目標がある。しかし、その他に所作を綺麗にしたいという目標もあり、優先度を考えた場合、ダイエットを継続するよりも日本舞踊を習いに行こう となるかもしれません。

 

つまり、ギャップアプローチの場合、原因追求が近視眼的になりがちなのです。QCサークルのような原因追求型の問題解決にはよいのですが、働き方改革のような人や組織といった複合的に複雑な原因が絡み合っている場合には、本来取り組んだ方がよい課題を見落とす可能性が高い ということです。

それを防ぐために、ポジティブアプローチから課題を設定し取り組んでいくことが必要で、これがルービックキューブを6面一度に揃えていくためのスタートになります。

ポジティブアプローチから課題設定した時に、いくつかの課題が出てきます。それを組織の現状を鑑みながら緊急度重要度マトリクスなどを用いて取り組む優先度を決めていきますが、その結果、ギャップアプローチで出てきた課題と同じになることも当然あります。ただ、その課題に取り組む目的を理解しているかどうかで取り組む質が変わってきます。これは、レンガ積職人の話が有名かもしれません。

 

長くなりましたが、働き方改革はポジティブアプローチで と覚えておいてください。