伝える側として

働き方改革×チームビルディング

変わりたい社長を応援するブログ
~a Day in the Life~

変わりたい社長のメンタリングパートナー

梶川です。

 

やらかしてしまいました。

働き方改革のアドバイザーとして関わることになった企業さまでのことです。

第1回のご訪問で、キックオフを兼ねて当該部署だけでなく、社長様以下管理職の方も入られてのセミナーを冒頭に行いました。この会社は2年目ですので、ほぼ、同じ内容を社長様、管理職の方は聞かれています。

大変、熱心な社長様で、働きやすい会社にしたいという思いが昨年から伝わってきており、こちらも熱が入っています。

私が話す内容は、だいたいこんな感じになります。

1.働き方改革の世の中の流れ、関連法の内容説明
2.人口構造から考える働き方の変化
3.会社に起きること(採用、定着、介護、女性活躍)
4.世の中の働き方改革に対するアンケート結果
5.本当の働き方改革とは
6.本当の働き方改革の進め方と重要なポイント
7.(弊社での取り組みの内容と結果)
8.マトリックスの話(古い!)

本日のセミナーでもこの通りお話ししましたが、7を割愛しました。時間の都合もありましたが、他社さまで弊社の話をした結果、働き方改革をやると社内で就業時間中にBBQやったりもちつきしたりサイクリングに行けるようになる と勘違いした社員が出て困る と言われたためです。

 

そして、セミナー後の社長様からの一言。

「これを聞いた社員が怖くなっちゃうんじゃないか、心配になりました。」
「福利厚生などに取り組んでも、働かせすぎを隠すためにやっていると勘繰られるのではないか」
「働き方改革関連法は余計なお世話と思っている。だが、本当は働き方改革によって、楽しくはたらけるようになる という風に理解しているんだけど、それが伝わらないのではないか。人が取れない、介護の問題だとか不安になって、やめてしまうんではないか」

あーっ、そう聞こえましたか?! というのが最初の感想でした。

 

「本当の働き方改革によって、みんながイキイキと働いて、社員も社長も会社も幸せになる」というのは私が伝えたい一番です。社長とは、そこを握れていると思っていました。

ただ、最近ダウンローディングを取り上げているように、経営者、管理職の方の意識改革を一番の課題と思っていたので、参加される経営者、管理職の方に向けたメッセージになっていたことは否めません。

そこに、一般の取組みチームの社員さんも参加されていたので、それがまずかったのかと。

事前に社長と内容についての確認をとらなかったことが敗因です。

 

そこはわかっているつもりとして、具体的に振返ってみました。

評価の高かった昨年と比べて変更したのは、1.の働き方改革関連法の説明を追加したこと、7.の弊社取組みを割愛したことです。それ以外は若干の言い回しの変更や説明が具体的になったことくらいです。

ひとつは、7.の弊社取組みを割愛したことで、取り組んだ結果楽しくなった姿をイメージできなかったのではないか と考えました。なので、これについては、そのあとの部署ごとのキックオフの際に説明する時間を設けてお話ししました。

もう一つは、働き方改革関連法の説明をしたこと。具体的な残業時間の上限の話や、順守できなかったときの罰則の話などをしました。この会社さまの実態を把握せぬまま、この説明をしたことで、もし守れていないとするならば社員がまずい状況であることに気づくきっかけになってしまったかもしれません。こうだとしたら、内容の良しあしは別にして、コンサルとしては猛省です。

 

部署別キックオフミーティングの前に、参加者の方たちにセミナーの感想を聞いてみました。
「わかりやすくてよかった」「働き方改革の本当の意味がわかった」「部下とのコミュニケーションの取り方が参考になった」などなど、概ね伝えたかったことは伝わっていました。また、社長が心配しておられた恐怖感のようなことは感じていないようでしたので、少しほっとしました。

 

個人的には、会社にとって都合の悪いことも、今ではどこからでも入手できてしまうので、そういうことも含めて今後どうなっていきたいのかを社員に語れば、きっとわかってくれる と思っているのですが、それは、私の考え方の押し付けなのではないか ということを改めて考えるきっかけとなりました。

普段、選択の話をしているのに、知らず知らずに自分の価値観を押し付けていたのかもしれません。働き方改革は法の順守は別にして、私が考えている自立型組織への変革も押し付けなのかなと。ティール組織のところでの、アンバーでもレッドでもそれは良し悪しではないのですから。

しかし、一般論として社員のみなさんが抑圧されているような状況は良くないと思うんですが、無理強いしないとなると、やっぱり気づいちゃった人から変わるしかないんですかね。そして、気づくか気づかないかの選択権を委ねながら、信じてお話しするしかないんでしょう。

そしてもう一つ。伝えることに注意が行き過ぎて、伝わるかどうかがおろそかになっていたかもしれません。