働き方改革は経営戦略?

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梶川です。

 

先日、岐阜県のイクボスセミナーを聴講してきました。

基調講演は、慶應義塾大学の前野教授で、「幸福経営学」という興味深いお話しでした。

が、その話題は次回にして、今回は、パネルディスカッションでお話しされた、鍋屋バイテック株式会社の金田会長のコメントに感じるものがありましたので、その話題について。

 

「最後に会場のみなさまに一言」とファシリテーターの方に促されて言われたのが、「社員の幸福とイクボスやワークライフバランスは全然次元の違うことで、一緒に考えてはいけない」

「経営の失敗は経営者の責任で、うまくいったときは社員のおかげ」

などなど。

 

イクボスやワークライフバランスの本当の意味をご存知だったらこういう表現にはならなかったと思いますが、要は、社員の幸福は経営戦略とは違う次元のことだと、おっしゃられたかったと思います。

 

これに私も同意です。

 

本当の働き方改革は社員の幸福度が向上します。

その結果、業績あがります。

決して、業績あげるのではありません。

業績を上げようとして取り組んだら失敗すると思います。

 

当社(梶川土木コンサルタント)では7年前からワークライフバランスに取り組んでいますが、極端なことをいうと、社員を幸せにしようとだけ思ってやってきました。

その結果、業績も向上しましたが、社員と私も幸せになりました。

経営者の孤独 と言いますが、今はまったくありません。

 

昨年、中小企業診断士シンポジウムが広島で行われたとき、八天堂の社長が講演されました。

倒産する直前から社員さんのおかげで奇跡的な回復をしたとき、社員さんを幸せにすると心に決めたとのことでした。

その結果、さらに業績も向上しましたが、社長が孤独でなくなったとおっしゃられました。

 

「あっ、同じことを言ってる!!」と感動したのを覚えています。

 

勉強熱心な八天堂の社長は、多くの成功している経営者の方にお話を聴きにいかれたところ、社員を大事にされている経営者の方は皆、孤独でないとお話しされたとのことでした。

 

さらに、私のセミナーでは必ずこのことをお話ししているのですが、先進的な取組みをされている経営者の方からも、「本当にその通り。私もまったく孤独でない」と言われました。

 

昨今、経営戦略としての働き方改革 という表現があります。

働き方改革に全く興味のない経営者の方に興味をもってもらうためのキャッチコピーとしては あり だと思いますが、業績(数値)向上のために働き方改革に取組む(業績向上と従業員の幸福を天秤にかけるようなこと)は、やめた方がよいと思います。

強いて言うなら社員を幸福にするという経営戦略としてなら、良いと思います。

 

いずれにしても、

業績を上げようと思うと失敗する。

業績を上げようと思ったら、業績を上げようとしてはいけない。

という何やら禅問答のような感じですが、ずーっと、私の実感です。