コーチングの誤解

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自働経営®ナビゲーターの梶川です。

 

弊社でもコーチング研修を行っていますが、企業様にて1on1やコーチングの研修、コンサルもしています。

1on1とコーチングの違いは割愛しますが、必ずと言っていいほど、コーチングについて誤解されている部分があります。

ちょっとアンテナが立っている方だと、コーチングって質問だけして答えにたどり着いてもらうものだよね という反応になります。

大きくは間違っていないのですが、ここでいう「答え」は、コーチがもっている「答え」となっていることが大きな問題です。

コーチ、企業で言うとたいていの場合は上司になると思うのですが、部下とコーチングすると、コーチの答えに部下がたどり着くように質問して(誘導)している ことが起こります。

 

コーチングの本来の目的は、特に会社で行う場合、部下の目標達成のための支援 であり、部下自らが問題解決するための行動を決めて実施する後押しをすること です。

ここで部下が決める行動は、上司の考える「答え」と一致している必要はありません。

むしろ、唯一の正解があるわけではない問題を扱うので、上司の答えが正解とも限りません。

大事なことは、部下自身が行動を決めて、それを実行し、そこで起きたことを踏まえて次にどうするか を考えて、また行動する。

このサイクルを回していくことです。

このメリットは、部下自身が成長して自律して行動できるようになること、上司が把握しきれない現場の状況を踏まえて最適な行動を選べる可能性があること です。

 

どうして、先述のような誤解がうまれるかを考えてみると、ひとつには、上司が答えをだすもの ということがある気がします。

常に部下に対して適切な指示をだすべきだ と考えておられる方は一定数いらっしゃいます。

自分が部署の長として部下を適切に率いて成果を出す という考えです。

イメージとしては軍隊のような感じです。

これの良し悪しはないのですが、ただ、これは長がすべての情報を正しく把握して、常に正しい答えを導き出せている場合には効果的ですが、環境変化が速いなど、素早く答えをださなければいけないのに情報の収集が難しい場合などには難があります。

 

他の理由としては、上司(自分)の答えが正解であると(無意識に)思っていることもあります。

会社の場合では、上司の方が経験年数が多いことが一般的ですから、自分の方が部下より優れている と思うのは一般的だと思います。

しかし、これも、自分(上司)が経験してきたことと、今とでは環境が変わっていることが多く、上司の経験が今に通用するとは限りません。

 

上司がすべきことは、自分の答えを部下に指示することではなく、部署として成果を出すために行動を決定すること です。

それは、必ずしも自分の答えとは限りません。

とすれば、部下と話をしているときに自分の答えを持って聞くことは、自分の視野を狭めることになりますし、また、部下の自律的な行動を阻害することになります。

戦時中ですら、中央集権的に情報を収集して指示を出すよりは、現場で判断できる情報を共有することが成果をあげるのに有効な手段だった と結論づけられています。

部署として成果をだすために、どのようなマネジメントが適切か、上司として考えてみてはいかがでしょうか。

 

一方で部下としても、上司が答えを持ちながら質問されている場合、直感的に誘導されていると感じています。

誘導されているとき、人は心地よくありません。

そんなとき部下は、答えがあるなら教えてくださいよ と思っているかもしれません。

特に、最近の若者は答えを知りたがる傾向にある と言われています。

そんなときのおススメは、提案 という形です。

上司が答えを与える のではなく、自分の経験だけど ということで提案してみる。

採用するかどうかは部下に任せる形です。

であれば、部下が参考にすることはあっても、気に入らなければ(問題の回答として適切だとおもわなければ)従う必要はありません。

あくまでも部下の自主性を尊重しながら、上司の答えを提供することができるスキルですので、お試しあれ。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。