人事評価とフィードバック

働き方改革×チームビルディング
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現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。
あなたの会社には人事評価制度はあるでしょうか。
弊社はあるような、ないような。
というわけで、今回は立派なことを書ける立場にはないのですが、思っていることを書いてみようと思います。
そもそも人事評価の目的は何でしょうか。
給与の決定? 社員の成長?
給与の決定だとすると、想定されるのは「自分はもっとやっているのに、なぜこの評価なんでしょうか」というようなやりとり。
給与は衛生要因と言われ、不満足因子として、報酬が多くなれば不満は減るが、満足はしないものと言われています。一時的に満足しても、それが当たり前になると不満に変わります。結局、不満なのだと思います。
給与額から自分の会社での評価を推察し、あまり評価されていないと思うとモチベーションが下がってしまいます。やってもやらなくても変わらない というような不満が生じることもあります。
半年に1回や1年に1回、評価面談をして評価結果を伝えているところもあると思います。
が、その時に結果だけを伝えてもあまり意味がないと思います。評価面談の時に、今期はこうだった、ああだったと伝えて、本人の自己評価とのすり合わせをするのだと思いますが、絶対値が明確でない場合、なかなか困難な場になる気がしています。
その時に大事なのはフィードバックです。本人の評価と現状のズレ(ギャップ)を伝えることで、本人に修正する機会を与えることになります。
フィードバックについての説明はこちらを参照してください。
フィードバックは目標と現在値のズレを伝えることで有効になります。
もともと 本人がどこを目指してきたのか が不明確なまま、半年や1年後の結果について、自己評価と上司評価をすり合わせても、本人の納得度合は低いのではないかと想像されます。
ですから、期の初めに、考課表を見ながら今年はここを目標にして取り組みます というようなことをやっておけば、有効に機能するような気もします。
本人の目標と現状のギャップを上司がフィードバックする。上司の役目は評価するということではないのですね。
ただ、それが給与に結びついたりすると、どうしても外的動機付けになってしまって、私としてはちょっとすっきりしないのです。
弊社では私の試行錯誤につられて、2年ほど前から、 自分に必要な成長を自分で定義する という価値観で進めています。
弊社で3年ほど前からやっている社内アンケート(私が関与していない、社員だけでやる という経営者としてはかなり怖いもの(^^;) )で自己成長の数値が低かったのです。特に若手で。
そこに違和感がありました。
そもそも、中小企業なので、すべてのロールモデルや技術が揃っているわけではありませんが、なんとなく受け身からくる数値のような気がしたのです。
そもそも社会人として、人に言われて成長するということが正しい姿なのか。
そんなことを考えて先述の価値観にたどりつきました。
自分がどんなキャリアを考えているのか、どんな風になりたいのか、どのように生きていきたいのか。それを踏まえて会社の目的に向かって、今年、何に取り組むのか ということを考えてもらうようにしました。
そうすると、一義的な人事評価表では表現できないのです。
仕事を進めるために必要なスキルや知識はどんなものがあるのか ということを整理したものがあるのは新人から何年かの社員には有効かもしれません。
しかし、いわゆる人事考課表として使っても、評価しきれないし、これで評価されたくない と私本人が思ってしまうのです。
また、一般的にはハイパフォーマーを参考にして評価項目を決めていることが多いと思います。
これも私にとって違和感があるところです。
ハイパフォーマーって、たまたまその人の強みと仕事がマッチしているからハイパフォーマーだと思うのです。だから、あまり手がかからないし、上司も楽だし、勝手に成果あげてくれて大助かりです。
でも、必ずしもその部署にいる人が、ハイパフォーマーと同じ強みや特性かというとそんなことはありません。だとするならば、ハイパフォーマーをもとに作成された要点についてハイパフォーマーのようにできなくて評価が高くならない か、異動するか ということになってしまいます。
チームビルディングでは、人と人は違い、それぞれの強みや特性を生かす という考え方があります。例えば、営業なら外回りでガンガン受注を取れる人、営業先で使う資料をわかりやすくまとめられる人、それぞれが強みを活かして成果をあげています。
では、この二人、どちらが評価が高いのでしょうか。
必ずしもみんながつがつ成長しなくてもいい ということもありです。
人事考課表に沿って育成していると、会社でいかに昇進昇格するか、どうやったら給与が増えるか ということには詳しくなるのかもしれませんが、会社の思うような人生を歩むひと=会社人 を生んでいるだけのような気がしてしまうのです。
運用については、ある時TVで観た、青山学院大学 陸上部で原監督が進められていたことを参考にしています。
1年生から4年生まで、自分がどんな選手になりたいか、どんな記録を目指すのか、そのためにどんな練習をするのかを自分で決めて、それを壁に全員分が貼ってありました。
そして、毎月、その実現状況について、1年生から4年生が混ざってフィードバックをするのです。
学年上下に関係なく、目標と現状についてのギャップをまさにフィードバックしあっていました。
最低でも毎月、目標と向き合っていたら目標を見失うことはないでしょう。
そして、お互いにフィードバックすることで、あらたな視点や気づきを得られるので、目標達成に近づくでしょう。
そして、フィードバックする側の技術も高まっていくでしょう。
お互いにフィードバックできるチームがチームビルディング的には目指す姿です。
これを参考に、弊社でも同じように、部署も跨いでやるようにしました。まだ、始めたばかりで結果はわかりませんが、しっかり取り組んでいこうと思っています。
しかし、これも給与評価と結びつけることもしませんし、人による目標の違いから、給与の違いを明確に説明することも困難です。
では、給与はどうするのか。
いくつかの案はあるのですが、まだまだ試行錯誤はつづきそうです。
それでは、今日はこの辺で。
つらつらと書いてしまったので長くなってすみません。
最後までお読みくださりありがとうございます。