合意なき決定?!

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現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

東京オリンピックのマラソンと競歩が札幌で開催されることが決定しました。

国際オリンピック委員会(IOC)と国、都、大会組織委員会の4者のトップ会談の場で、小池東京都知事は、

札幌開催には同意できないが、IOCの決定は妨げることはしないということが東京都としての決断。あえて申し上げるなら、合意なき決定だ。

とコメントされました。

「同意」とは、他人の意見などに対して、賛成すること。「同意を得る」「提案に同意する」
とあります。(デジタル大辞泉の解説より)

「合意」とは、互いの意思が一致すること。法律上は、当事者の意思表示が合致すること。「合意に達する」「離婚に合意する」
とあります。(デジタル大辞泉の解説より)

つまり、「同意」は、一方が出した意見を受け取る場合に、「合意」は、話し合いの場があり双方が意見を出し合った場合に使われるということです。

ということは、一方的に札幌開催と言われたことには賛成できませんし、話し合いの場でも合意にいたらなかった ということでしょうか。

「合意なき決定」の主旨について、小池都知事は

東京都として、移転そのものにすんなり合意ということは難しい。一方で、大会成功のためには、そのことについては妨げることはないという両方で、先ほども「合意なき決定」という言葉に集約させていただいた。そもそも東京大会そのものが煮崩れを起こしてしまうことは、大会の成功に繋がらない。色んな思いがございました。

と話しておられます。

利害が対立する場合に協働することは難しい面も多いです。

この本のなかで、以下のように述べられています。

「全体の利益」を優先させることはーーその全体がチームであれ、組織であれ、コミュニティであれーー良識的でもなければ、合理的でもない。
あらゆる社会システムは多数の全体から成り立ち、その全体はより大きな全体の一部でもある。(中略)
したがって、「全体」なるものは存在しない。だから、「全体の利益」の達成に焦点を絞ろうという主張は、言葉巧みな操作とは言わないまでも、誤解を招く言い方だ。正確に言えば、「私にとって最も重要な全体の利益」となる。(後略)

それぞれの利害が異なる場合には、全体の利益を考えて合意形成を図ろうとしても難しいということです。

 

会社でも何かをやろうとすると、反対意見があり、議論が平行線をたどりなかなか合意形成できないということはありがちです。

しかし、会社は前提条件が異なりますので、ポイントがあります。

一つ目は、反対意見の起点がどこか ということです。

会社は理念やミッション、ビジョンを掲げて、それに向けて組織活動を行っているわけですから、それらに照らしてどうか が判断基準となります。

つまり、「会社」という「全体」のなかに社員がいるわけです。

したがって、反対意見を提起した人の個人的なスタンドプレイやローカルな利害の主張の場合は一蹴すればよいです。

 

逆に、会社として目指すものの実現に向けての異なる意見の場合は、さらなるブラッシュアップのチャンスですから、それを活かすべきです。

その場合のポイントは、「決め方」を決めておく ということです。

たとえば、異なる意見を出す人は、元の意見の背景を踏まえて、さらに良くなると思われる意見を提案する とか。単純に反対 とだけいうのではなく、きちんと意見を述べるのがポイントです。

さらに、そうはいっても異なる意見を持っているわけですから、100%合意に至ることは難しいと言わざるを得ません。

そんな時に、「賛成の人は挙手してください」とやっても、全員の手が上がることは難しいでしょう。

その結果、多数決で決めてしまっては合意のための対話をしてきた意味がありません。

社長がでてきて、「これにする」というのは一つの方法かもしれませんが、「結局、社長が決めるから対話は適当でいいや」になってしまいがちなので、私はやりません。

その場合の方法としては、個人個人の納得度が7割くらいになったら「賛成」とする というように決めておく ということです。

7割なのか、8割なのか、6割なのか、それはケースバイケースで決めればよいですが、10割はほぼ無理なので、どれくらいなら納得できるかを決めておく ということです。

そのプロセスを経て、「賛成の人は挙手をお願いします」とやり、手が上がらない人は何か引っかかっているということなので、どうなったら納得度があがるかの意見を述べてもらいます。

 

そうやって、全員の手が上がるまで対話をしていきます。

最終的に全員の手が上がったら、決定事項として全力を挙げてそこに向かう ということが組織としてのあるべき姿ですね。

決まったことに「俺は賛成しなかったから」とか、「総論賛成だけど各論反対なんだよね」などといって協働しないことはあるまじき行為です。

やはり、ONE TEAM を目指していきたいですよね。

 

さて、先の小池都知事のコメント。

「大会成功のためには」と一つ上の目的=全体の利益 をおっしゃっております。

政治的にはいろいろあるのでしょうが、やはり、同じ日本として「妨げることはない」という消極的なかかわり方よりは、決定事項として力を合わせて積極的にかかわること、例えば、いち早く準備してこられた知見などを札幌に享受するなど を期待したいと思います。

ONE TEAM として。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。