残業を減らしたいなら無駄な仕事をみつけるな
働き方改革はチームビルディングで実現!
経営者自身のアライメントと組織のアライメントを整えることで
自然に業績があがる会社にする
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。
最近、ご紹介からの弊社事例紹介の取材が続きました。
こういう機会があると、自社の取り組みを振り返ることができ、とてもありがたいです。
取材の内容は、たいてい、とりくんだきっかけ から始まって、取り組み内容、苦労したこと、一番効果があったこと など と続いていきます。
弊社の取り組んだきっかけや取り組み経緯の概要はこちらに載せています。
一番初めに取り組んだのは、意識改革です。
が、そもそも、自分がどんな会社にしたいのか と向き合うことが本当に最初にやるべきことでした。
たどりついたのが、
働く ということが充実したものでなければ、人生が充実したものにならない
ということでした。
このことについては、こちらの記事でも触れています。
こういうプロセスを経て、会社としてワークライフバランスに舵をきる ということを全社に向けて話をし、意識改革期に入っていったという感じです。
で、最初に取り組んだのは、「全員定時退社」です。
王道のやり方は、自分たちの仕事を見える化し、残業の原因になっているものは何かを明らかにし、無駄なものはやめる、やり方を変える、統合する、などして効率化し残業を減らす という方法です。
が、自分自身が前職時代にやった「課題ばらし」(※抱えている仕事を小さくばらして要不要を判断するという取り組み)がうまくいかなかった経験から、精緻華麗にやってもうまくいかないだろう と感じていました。
そこで、邪道ともいえる、強制定時退社 に踏み切りました。
これまで、22時まで働くのが日常だったのを、18時に帰ることを強制することで、自然と無駄なものがなくなっていくだろう という目論見です。
仮説としては、22時までにやる ということが常態化し、22時に終わるようにペース配分しているのではないかと。なので、途中、さぼる(無意識に)などしてペースを下げたり、終わりそうになったら無理やり仕事を見つけて22時までいるようにしているようなことが起きているのではないかと。
社員からは それは無理ですよ という声は聞こえたり聞こえなかったりしていましたが、そういう声には、「マラソンランナーにならなくていいので、8時間をスプリンターのように駆け抜けなさい」と言い続けました。
現実には、お客様への約束などで全くの残業ゼロ というわけにはいきませんでしたが、始めてすぐに残業時間は6割減となりました。
ショック療法的な意味合いもありました。
これまで慣れ親しんだ働き方で、業界的にはまだまだ長時間労働が当たり前でしたから、変化するのはなかなか大変だろう という思いもありました。
だからこそ、冒頭で書いた 目指す会社 を業界フロントランナーとして実現する という思いの本気度を伝えたかったし、実際、何度も伝えてきたと思います。
そして、社員もその目指す会社に共感、賛同してくれたから変わってこれたのだと思います。
今、あらためて長時間労働だった原因を氷山モデルで考えてみると、
パターンとしては、
・繁忙期以外の残業も決して少なくありませんでした。
・基本的に残業は多かったですが、特に多い人は特定の人です。
構造としては、
・仕事が属人的(個人商店)になりがちです。
・プレイイングマネージャーなので、繁忙期はマネジメントする人がいなくなります
メンタルモデルとしては、
・残業するのが当たり前
・上司が残っているから帰れない
・忙しいから人に構う余裕がない
こう考えると、やり方としては、全員の仕事を見える化しマネジメントする人を決める ということが王道のようにみえますね(苦笑)
しかし、マネジメントによって、業務量が多すぎると思っている社員にほかの人を手伝うようにしても被害者意識がうまれそう ですし、中小企業ではマネジメント専門職を置くリソースがありません。
見えないメンタルモデルとしては、自分のことだけやっていればいいんでしょ というのがありそうですし、その構造としては、協業・多能工化をすすめる風土ではない ということがあります。
残業するのが当たり前 と思っている社員は、やる仕事が減れば新たに仕事を生み出します。そして、それらはお客様のためであり、決して無駄ではない と信じています。
そういう意味で、定時で強制的に終了にするということは、何が無駄か無駄でないか をお客様に直接問う という荒業でした。
これまで毎日12時間かけてやっていた仕事を8時間でやろうとすると、やれない仕事がでてきます。
それがお客様に迷惑をかけていないことがわかると、本当にやるべきことがわかります。
そうやって、社員各自が学んでいったのだと思います。
一方、お客様にご迷惑をおかけする可能性もありました。私もそういうときも来るだろう と覚悟していましたが、結果、1件もそういうことはありませんでした。
当時は、厳密に真因を考えて取り組んできたわけではありませんが、結局のところ、中小企業としては全員戦力化で向かうしかありませんし、それを実現するためにはあえてメンタルモデルに切り込んでいくことが必要と感じたのだと思います。
これらの点から、会社として真に目指す姿を全社的に共感してもらう、もしくはみんなでつくる ということが一番初めに大切で、それがないとメンタルモデルが揺らいだ時に支えるものがありません。
そのためにも、社長が自分と向き合うことが、スタート前に必要なことだと思います。
とはいえ、メンタルモデルに直接踏み込んでいくことは、一般的にはあまりおすすめする方法ではないことをお伝えしておきます(苦笑)
それでは、今日はこの辺で。
最後までお読みくださりありがとうございます。