ホラクラシー考察 その1

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

武井社長のお話からホラクラシー経営について考察してみようと思います。ただ、ホラクラシー=ダイヤモンド社の経営と言えるかどうかわからないので、ホラクラシー一般へ言及できているかどうかはわかりませんが。

 

そもそも武井社長は、ブラジルのセムコ社のことが書かれた「奇跡の経営」という本を読んで感動し、それを実現したいと思って会社組織を作ってこられたとのこと。実は、私も経営者になる前にこの本を読んで感銘をうけ、その実現を目指そうと思いました。しかし、その時にあるコンサルタントの方から、あれは素晴らしい社員教育があって実現してるのですよ と言われて、なんとなく目指すものでなくなってしまいました。武井社長は目指し続け、私はあきらめた。この違いが今に至っているかもしれません。

 

さて、この記事にも書きましたが、ティール組織に至るには、この問いから始まります。
「組織は誰のものか」

多くの中小企業にとっては会社=社長であって、会社の目的、ビジョンは社長の目的、ビジョンであると思います。経営者自身にとって、この問いに至らなければ、ティールを目指すことはないでしょう。

 

会社=社長である場合、会社は社長の思うように、社長が目指すようになって欲しいので、経営理念やビジョン、ミッションを社長が決めて、それに向かうように目的目標を掲げます。社員にはそれに従うように求めます。そのために、ヒエラルキーが必要になってきます。これが、ティール組織の本でいうオレンジまでの状態かと思います。

 

ただ、会社≠社長でなくなったとき、社員のことを思い、社員の幸福を目指すようになります。(株主のことなどは複雑になるので、ここでは割愛します)

そのため、会社のビジョン・ミッションを社員と決めたり、ボトムアップ型で会社運営をしていこうとします。これがティール組織の本でいうところのグリーンになるのかと思います。弊社はこれに近い感じです。

 

ただ、社員の幸福とか、社員の自立・自律ということを考えたときに避けて通れないのが、給与の問題です。ある側面では幸福になってもらうためにはそこそこの給与を支給したいと思うのです。しかし、給与を決めるためにはだれかが評価することになる。評価の尺度は会社への貢献度になると思うのですが、一般的には、ハイパフォーマーのコンピテンシーをベースに決めたりすることが多いようです。

一方、一律(年功序列など)の給与については、基本的に全体のベースが高い組織ができること だと武井社長はご自身の研究に基づいてお話しされました。また、価値提供の高い人と低い人がいるのは現実で、それを無視して同じ給料である ということは、その分を誰かが負担していることになる。つまり、関わる人皆がWin-Winということに反する という意見でした。

余談ですが、チームビルディングでいえば、人それぞれの強みを活かして会社に貢献してほしいので、それらを横並びに評価する良い方法がみつからない というのが、今の自分の悩みであり、課題なのです。

 

さて、ここで問題なのは、お金が絡むとお金のために仕事をするのが「人」だったりすることです。そして、それが評価に基づいて決まるとすれば、その評価者を向いて仕事したり、給与があがるように仕事したりしはじめます。そこには、評価者というヒエラルキーが生じますし、評価者や評価尺度が完璧でなければ、仕事のベクトルが本来向かうべきところに向かわないことが起きてしまいます。

なので、ダイヤモンドメディア社では、だれかがだれかを評価するということを手放し、かつ、給与は社外価値・社内価値に基づいて話し合いで決めるということなのです。

それは社長も例外でなく、全員の給与がオープンになっています。

純粋に本来達成したいことに全員が向き合えるように、ヒエラルキーを除外したいのです。

 

武井社長は、ヒエラルキーを除外するために一番大事なことは情報の共有化(オープン化)ということを強く言っています。この辺は、自立・自律にもつながってくることなので、次回に書いてみたいと思いますが、組織を作った当初からこれを実現していればよいのですが、そうでなくて何年も続いている会社でこれをやるのは、かなり大変だと思います。特に、弊社もそうですが同族企業の場合、ここが一番のネックになるように思います。この辺も併せて次回以降に。

 

それでは、今週もありがとうございました。また、来週月曜日にお会いしましょう。