多様性のわな

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梶川です。

 

このブログでも人と人は違う ということを書いています。そしてそれは、人材力として、自立型組織であるための前提となる3要素の一つです。つまり、自立型組織である(になる)には、人と人は違うということからはじまります。

 

個々を尊重することで、その場の心理的安全性が高くなり、意見することや改善提案などに躊躇がなくなり、組織の成長の機会が増えるため生産性もあがるという構図です。また、アイデアが形になるチャンスも増え、イノベーションも起こりやすいという利点があります。

 

これは、多様性とかダイバーシティという表現をされることもあるのですが、そこに落とし穴があるような気もしています。というのは、多様性がいいよね、とか、ダイバーシティでなければいけない とか、そういう風潮があるように思うからです。

 

しかし、多様性やダイバーシティを強いた瞬間に、多様性でない ということになります。

 

たとえば、ダイバーシティの中でとらえられる女性活躍について、管理職比率を目標値にしていたりするのですが、そうなると、管理職になることを強制するようなことが起きます。

ダイバーシティは、人はそのままでいい ということなので、その人それぞれの価値観とか考え方を尊重することなのですが、ダイバーシティ(多様性)という言葉のもとに画一化している気がするのです。

そもそも、ダイバーシティ(多様性)を掲げているのは何のためなのか。

女性 とか、若者 とか、障がい者 というように、一般化して表現する時点で画一化してとらえようとしているように感じます。なので、やはり大切にすべきは、個々と向き合うということでしょうか。大くくりとしてとらえるのではなく、個人個人がそれぞれひとりひとりであると理解し、そして、相手に選択する権利があると理解することかなと思います。

 

では、その人それぞれの価値観だから、好きなようにしてもよいのか。

 

組織の中での多様性ということで書きます。

会社で考えたときには、まず、その会社のビジョン、目的やミッションの実現がありきです。その実現のために組織づくられているのですから。これは、自立型組織3要素の一つ、組織力です。

そして、その目的やミッションに賛同した人で組織が構成されるのです。

 

そうなると、言動の判断基準は組織の目的実現に即しているかということになります。

 

それに向かっていくうえで大切にすべき個については尊重すべきでしょう。

ここからは昨日石見師匠から学んだことですが、つまり、組織の目標実現に向かっての健全な議論や激しい議論は交わされるべきです。組織の目的(ビジョン)実現を重視している場合、意見が対立してもチームは壊れません。

逆に言えば、組織の目的(ビジョン)実現のためには建設的に異なる意見を対立させることが大切なことだと理解しているのです。意見を言わない、迎合する、といったことにはならないのです。

そして、組織にとって最善のことを優先して行動するので、ひとたび決定が下されれば瞬く間に一致団結します。

誤解されがちなのは、多様性ということで多くの人の意見を聴き、結果まとまらず多数決で決定してしまったり、決定したあとも自分の意見に固執するということです。自立型組織では、リーダーが決定できるように、決定までに必要な議論を重ねますが、リーダーが決定した後は一致団結するのです。

 

そうでない場合、例えば、本人の好き嫌いでルールを守らないとか、人を傷つけるとか、こういう場合には是正されるべきでしょう。それは多様性ではなく、自分勝手ということだと思います。

 

このブログでも、自立型組織を勧めている表現になっていますが、決して押し付けているわけではありませんので、ご承知おきくださいませ。ご自身で選択されるのがよいかと思います。