イクボス

働き方改革×チームビルディング

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~a Day in the Life~

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梶川です。

 

昨日はイクボスセミナーで基調講演をさせていただきました。

 

イクボスはNPO法人ファザーリングジャパンさんが提唱された言葉です。

弊社もそのファザーリングジャパンさんが進められているイクボス中小企業同盟に加盟しています。

 

ちなみにイクメンもファザーリングジャパンさんが提唱されました。

イクメンはかなり浸透してきたように思いますが、そのせいか、イクボスを育児をするボス と誤解されることも多いです。イクボスはイクメンほど浸透していない印象です。

 

ファザーリングジャパンさんの定義では、イクボスとは「職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のこと」を指します。

つまり、イクボスの「育」とは ・部下を育てる ・企業組織を育てる ・社会を育てる の育なのです。

そして、具体的にイクボス10カ条として、以下の通り掲げています。

  1. 理解
    現代の子育て事情を理解し、部下がライフ(育児)に時間を割くことに、理解を示していること。
  2. ダイバーシティ
    ライフに時間を割いている部下を、差別(冷遇)せず、ダイバーシティな経営をしていること。
  1. 知識
    ライフのための社内制度(育休制度など)や法律(労基法など)を、知っていること。
  2. 組織浸透
    管轄している組織(例えば部長なら部)全体に、ライフを軽視せず積極的に時間を割くことを推奨し広めていること。
  1. 配慮
    家族を伴う転勤や単身赴任など、部下のライフに「大きく」影響を及ぼす人事については、最大限の配慮をしていること。
  1. 業務
    育休取得者などが出ても、組織内の業務が滞りなく進むために、組織内の情報共有作り、チームワークの醸成、モバイルやクラウド化など、可能な手段を講じていること。
  1. 時間捻出
    部下がライフの時間を取りやすいよう、会議の削減、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること。
  1. 提言
    ボスからみた上司や人事部などに対し、部下のライフを重視した経営をするよう、提言していること。
  1. 有言実行
    イクボスのいる組織や企業は、業績も向上するということを実証し、社会に広める努力をしていること。
  1. 隗より始めよ
    ボス自ら、ワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること。

いかがでしょうか。イクボスのイメージがつかめたでしょうか。
(ちなみに、昨日のセミナーでは、この10カ条は説明しておりません)

組織の目的実現のために必要のないことは排除し、チームで働けるように配慮し、メンバーに寄り添って応援し、自らが先頭に立って実践する。以前にも書きましたが、まさにサーバントリーダーシップです。これが、今の時代に求められているということだと思います。そして、マネジメントスキルという点ではコーチングは必須です。

が、今回はそのことではありません。

 

私たちが働き方改革を進める際、メンバー自分たちで働き方を決める というところからスタートします。ゴールイメージを決めて、課題を決めて、実践して、改革が進んで、というプロセスになりますが、このとき、上司の方には、その会議に入らないようにしていただくことが多いです。

 

なぜなら、上司がいると本音での話し合いができない というケースが多いからです。

 

しかし、あるところまで来ると、上司の合意なしには進まないところに行きつきます。そこで、上司が強権発動したり、鶴の一声でひっくり返したりすると、すべてが台無しです。

なので、コンサルとしては、メンバーによる改革と並行して上司の意識改革も行うことが必要になります。上司がいても心理的安全性が確保されるチームづくりのために。

つまり、イクボスはここに着目しているということなのです。

 

可能な場合には管理職研修として別立てのプログラムとして取り組むことをご提案しますが、予算の関係等でできない場合、働き方改革を進めているチームの直属の上司とお話しすることになります。

サーバントリーダーシップの必要性やそのやり方、場合によっては、上司の旧態然としたマネジメントが働き方の弊害になっていることをお伝えします。

もちろん、丁寧に、紳士的にステップを踏みながら、時には刺したりしてお伝えするのですが、それでも上司が現実に向き合えなかった場合、その先にあるのは残念ながら破滅です。

ということなのですが、続きは長くなりますので、次回に書きたいと思います。