ティール組織考察 その2(最終回)

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梶川です。

 

昨日の続きです。

また、くどいようですが、あくまでも自称グリーンの人が想像した、もしくはグリーンの視点からみたティールであることをご承知おきくださいませ。

 

もう一つ重要なしくみが、Advice Process。

だれもが意思決定できるために必要なプロセスです。

要は、知見を持った人やすべての関係者にアドバイスを求めなさい、求められた人は応えなさい ということですが、ある意味あたり前です。よく知っている人や影響のある人の意見を聴いた方がよりよい決定はできます。普通の組織でもやっているはずです。

 

しかし、階層構造の組織では、相談する相手は自部署の上司であることが多く、実際は必ずしも部下より知見が高いということもありません。そこにあるのはヒエラルキーだけです。ゆえに、間違った決定もある。決定権は上司にあります。そして、アドバイスを求めるのは自部署内だけだったりします。

ティールでは決定権は自分にあります。そして、それをするために必要なアドバイスを求めるので、不足している知識を学ぶことができます。実際、いろいろな情報が共有されていても、それを理解する力がなければ意味をなしません。たとえば、経営リテラシーなどは新入社員ではわからないでしょう。それをアドバイスを求めることで能力不足を埋め、そして学ぶ機会となっているのだと思います。

 

また、アドバイスを求めると一般的には間違っている点を指摘したり、重箱の隅をつついたりということが起きがちですが、ティールでは基本的にそのアイデアをやれるようにするとのことです。

反対意見があった場合、その反証の論拠を確認する。感覚的に反対していないか、思い込みで反対していないか と詰めていって、いい加減な反証を取り除いていく、そして、究極的にはやってみて取り返しがつくかつかないか。取り返しがつくならやってみよう という判断になるそうです。

イノベーションという視点でも、断然こちらの方が有利です。

 

意思決定のスピード、イノベーション、生産性 という面でティールはとてもよさそうです。

 

先述の3つのポイントを実現するためにはいくつかハードルがありますが、給与を自分で決定するということはその一つだと思い、質問してみました。可能になる理由はすでに書きましたが、取り組む順序として「お互いを応援するという文化(風土)がなければ実現しない」 というアドバイスをいただきました。こちらが先だということです。

 

3回の勉強会に参加して個人的に一番のポイントだと思っていることは、吉原さんも、武井さんも、賢州さんも言われたことなんですが、「ティール組織をつくるためには、リーダーが半年くらい内省して向き合うことが必要」という部分です。「組織はだれのものか」という問いもありました。

これは、自身を振り返っても実感していることです。これがないとブレるのです。組織変革はタックマンモデル(詳細はこちら)で表せますが、途中の谷をくぐるときに自分なりの覚悟(将来へのビジョンやミッションなど)がないと怖くてくぐれないからです。

 

そして、ティールの3つのポイントは組織としてのパラダイムシフトであるのですが、経営者自身のパラダイムシフトでもあるのです。なぜなら、オレンジまでは会社=経営者だからです。一つ上の組織形態をイメージできないうちは組織変革は起こらないし、起こせない。今のままでよい という認識からは始まらないのです。

 

先日書いた、U理論でいえば、ダウンローディングしているうちは変革のプロセスがスタートしないのですね。

 

しかし、経営者はある意味いまのままでいいかもしれません(とはいいつつも、人員の問題や生産性の問題など解決すべき課題はあるはずですが)が、働く社員にとってはどちらがいいのか。

 

過去の枠組みを覆す情報にアクセスできたとき、ダウンローディングから抜け出します。

多くの場合は、残念な出来事が起きてから社長が内省することになります。私もそうでした。

しかし、その出来事はだれかに不幸なことが起きているわけです。ならば、それは無い方がいい。

 

だから、セミナーでは経営者の覚悟が大事ですよ、マトリックスから解放してください とお伝えしているのですが、地道にお伝えしていこうと思います。

今週もありがとうございました。また、来週月曜日のお会いしましょう。

Have a nice weekend!