部下を理解するための基本

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

生産性の高い組織の基本3要素は、人材力、組織力、関係力 ということをブログでもホームページでもお伝えしています。

それぞれは、独立しているものではなくて、有機的に関連しているものです。

例えば、関係力はいわゆるコミュニケーションのことですが、職場のコミュニケーションが悪い場合にコミュニケーション研修を実施しても改善しないケースもあります。そういう場合は、人材力、つまり、人と人は違うということを理解していないから問題が起きていることもあります。

人と人は違う とは、相手は必ずしも自分と同じように考えない、観ない、ということです。

 

働き方改革のコンサルを進めていく場合、基本的に働くチーム単位で取り組んでいきます。その場合、上司の方にはミーティングに参加していただかないことが多いです。というのは、上司がいると本音で意見を言えないケースが多いからです。その辺りはヒアリングしながら判断していきます。

改革が進捗していくと、ある時点で上司への要望を伝える場面がでてきます。その時に、上司にとって耳の痛いこともあるわけです。ただ、働き方改革によって自立型組織に変革する、社員一人ひとりの力を最大限に発揮してもらって生産性を向上する という目的に立てば、自身のプライドや立場を守るということではなく、必要な意見を受けとめて変わっていくという決断をすべきです。

この時点で、聞く耳を持たなかったり、頭ごなしに否定してしまうと、部下は「やっぱり無駄か」「言っても変わらない」と結論付けて、改革はそれで終わってしまいます。

 

このあたりは、故意、もしくは意図的に否定するつもりはなくても、起きてしまうこともあります。

それが、世代間のギャップです。上司世代の成功体験が24時間戦士だった場合、それに従って部下を指導したり、自分たちの新人時代はこうやって成長してきた という昔話を話したり、ということが起きてしまい、時代錯誤により部下たちには理解されません。

また、性別役割分業としての専業主婦世帯が24時間戦士として働くことを可能たらしめたことを理解せず、性別に関係なく協業家庭であることがあたり前の今の中堅若手社員に24時間働け と言っても何も響かないわけです。

部下の話を聴いているつもりでも、結果、自分の話ばかりしている ということになりがちです。

 

そこで、一人ひとり違う ということをきちんと理解するために傾聴ということが大切になってきます。

一口に「きく」と言っても3つの種類があります。

1つ目は、「耳で聞く」
・音声で耳に入ってくる状態
・頭の中で全く他の事を考えている

2つめは、「口で訊く」
・話の「事柄」に焦点を当てている
・自分が次に何を言おうか考えている(自分のモノサシ)
部下に相談されたときなどは、この状態になりやすいです。「あのことか」とすぐにアドバイスしようと思ったときなどはこの状態です。

3.心で聴く
・相手の「状態」に焦点を当てている
・相手が本当に必要としているのは何か(相手のモノサシ)
話に興味を持って、「分かろう」と思って聴く。本当に相手がなにを言いたいのか、何を望んでいるのか、きちんと聴かないとわからないものです。

 

新入社員のモチベーション調査で、直属の上司・先輩に求めることの1位は「意見や改善点を聞き入れてくれること」です。意見や改善点を教えてくれることではないのです。

このあたりが、働き方改革のコンサルに入っていて大事なポイントだな と感じることが多い今日この頃です。

 

それでは今週もよろしくお願いします。