日本における人口ボーナス期/オーナス期の働き方について
働き方改革×チームビルディング
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梶川です。
昨日の続きです。
人口ボーナス期は高度成長期でした。
物がない時代でしたので、物を他社よりも早くたくさん作って売れば儲かった時代です。
働くという視点では、重工業や建設業が多く、力があって長時間、均質な労働力が求められました。残業してでも、休みもなくても作り続けることが必要でした。
結果的に、男性主体の働き手となります。
まさに24時間戦士の時代。
人口オーナス期は、物余りの時代。モノよりコト消費と言われたりしています。
さらに多様性の時代。お客様が多様なら、社員も多様。
人件費も高騰し、長時間労働では採算が取れません。産業の中心も重工業だけではなくなっているので、男性でなくても構いません。
さらに、少子高齢化により労働力の確保が難しいため、結果的に短時間で働ける人達を活用していくことが求められます。
多様な人材を活用する時代。
会社においてはどうしても上司の力が強いです。
上司の意向に沿うことを求められるのが当たり前ですが、その上司は人口ボーナス期に成功体験を持っている方が多い。
24時間戦士として働き、成功してきた自分を是としており、今もその世界の中にいます。だから、部下への指導もそれがベースとなります。
しかし、現実は人口オーナス期。
求められる働き方が変化しているのです。そのアンマッチに気づかずにマネジメントしていると大きな問題が生じます。
24時間働けないと評価されない。
女性差別が起きる。
その結果、若手が萎縮し退職する。
女性も退職する。
24時間戦士を採用しようにも学生の数が減っているので少ない。そもそも価値観が違うので選ばれない。
最近の新卒学生が会社を選ぶ際に気にすることは、
- 将来性がある
- 給与・待遇がいい
- 福利厚生が充実している
- 業績・財務状況がよい
- 職場の雰囲気がいい
- 休日・休暇が多い
((株)ディスコ2019年就活生意識調査より)
と続き、職場の雰囲気ががいいとは、
- ワークライフバランスを重視している
- 役職や年齢に関係なく自由にモノが言える
- 部門間の交流やコミュニケーションが盛ん
- アットホーム
と続きます。
((株)ディスコ2016年就活生意識調査より)
人口ボーナス期の意識のままでは将来を任せる社員がいなくなってしまいます。
決して、人口ボーナス期の働き方を否定しているわけではありません。その当時はその働き方が求められたのです。
今は人口オーナス期なので、働き方もシフトしなければならない ということです。
さらに、若者に迎合しろ ということではありません。管理職たるものは成果を出すことが求められます。そのために現代の若者に合わせた能力発揮の仕方に合わせなければならないのです。
いかに部下のパフォーマンスを最大にするかが大事な役割です。
そのためには古いままの意識や考えでは成立しないので、意識改革が必要になるのです。
OSを入れ替えると表現する人もいます。
人口ボーナス期を経験してきた人と人口オーナス期から働き始めた人が混在する今、企業の業績向上には上司の意識改革が重要なポイントです。
働き方改革が声高に叫ばれ、関連法の施行も目前に迫ってきました。だからといって、経営者、管理職層の意識改革を伴わずに働き方改革を進めてもうまくいきません。
なぜうまくいかないか。そのあたりを明日書いてみたいと思います。