「働き方改革」という言葉を聞くことがない日はない というくらい、注目されており、かつ、法制化され喫緊の課題にもなっています。ところが、これほど多様な理解のされ方をしていることもないのではないかと思います。

一般的に働き方改革というと

一般的に、働き方改革としてとらえられていることとして、働き方改革関連法への適応、例えば長時間労働の改善や有休取得の推進などがあります。

また、少子高齢化に伴う労働力不足への対応として、採用の問題、介護の問題への対処といった側面もあります。実際、人手不足倒産といったことも起きています。

従って、労働力不足や人材確保の観点から、効率化して時間外を減らしたり、少ない人員で仕事を回せるようにしようといった、いわゆる「働き方改革」に取り組もうということになるのです。

働き方改革に関する経営者の本音

一方で、経営者からは、「そんなことより仕事とってこい」とか「仕事がたくさんあるんだから、労働時間短くするなんて無理」といったことも聞かれます。

もちろん、違法に長時間労働させたり、モラルに反するようなことをするのは論外ですが、経営する以上、目先の業績を上げていかなければ と思うのです。

つまり、働き方改革が経営にメリットを与えない=働き方改革は経営戦略にならない という印象なのです。

今の時代に企業に求められること

現代はVUCAの時代と言われるように、変化が激しくなっています。
*VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワード

ここで、マッキンゼーの7Sというフレームがあります。
企業戦略における、7つの要素の相互関係をあらわしたものです。

詳細は割愛しますが、ここで大事なことはソフトの4Sは変更するのに時間がかかるということです。

人や価値観、風土、スキルといったものは一朝一夕には変わらないということです。

つまり、変化の早い外部環境に対応するためには、なるべく早い時期に企業の変革に着手していく必要があります。

しかし、外部環境の変化が速く不確定要素の多い現代においては、先行き不透明な将来に対して早めに動くことは難しいかもしれません。

従って、現場の情報を素早く収集して、必要なときに迅速に意思決定できる体制を整えておくことが求められます。

現場で起きている多様なことを、多様な感性で組織活動に活かしていくこと。つまり、自律型組織であることです。

 

本当の働き方改革は自律型組織になること

自律型組織とは、メンバー一人ひとりが自分らしく働いて、会社のミッションに貢献して、業績があがる組織のこと と、私は定義しています。

機能的に見ると、以下の3要素が整っている組織です。
1.人材力・・メンバーの強みは?思考行動の特徴は?どんな配置が最良?今、必要な人材は?
2.組織力・・チームが一丸となって相乗効果を生むには?主体性を持つには?
3.関係力・・やる気と能力を引き出すコミュニケーションの取り方は?活性化するには?

自組織の働き方改革のプロセスを通じて、これら3要素が整っている組織になっていくことを本当の「働き方改革」といいます。従って、働き方改革ではプロセスが重要です。

その結果、会社としては将来への備えができ、社員としてはやりがいをもって生き生きと働けるという、win-winの関係になるのです。

これこそが経営戦略として取り組むべき理由であると考えます。

さらには、これが一番生産性の高い組織であるのですが、詳細は先述の重要な働き方改革のプロセスと合わせてこちらのコラムで。

 

最後に:自律型組織の経営者のあり方

ここで大事なのは、さらっと「整える」と書きましたが、社長の思惑や都合だけで「整う」わけではないということです。

社員がいて、それぞれ違う個人である以上、社長の大事にしたいことと社員の大事にしたいこととは違うわけであり、社員同士も違うわけであり、そこに真摯に思いを馳せていくことが大事です。

社員は幸福だけど業績がさがり続けたり、社長だけが幸福で社員が不幸であったり、そんな会社に明るい未来はありません。

そのとき、経営者に求められるのは「あり方」。
リーダーとしてのあり方です。

リーダーとは。lead やleadershipの語源であるインド・ヨーロッパ語の【leith】は、「出発する」「出発点(敷居)を越える」または「死ぬ」という意味です。

つまり、リーダーの役割は、一言で言うと『未来(未知)の世界へ出発すること』。より不確実な時代だからこそ、自らが未知の世界を恐れずに出発できるようになることが求められるでしょう。

自律型組織になるということは、ある意味、未知の世界への出発かもしれません。

 

企業は顧客やライバル企業の状況、時代の情勢などの変化に対応していくことが求められます。

もちろん、短期的に取り組まなければいけない課題も当然あります。
だからこそ、対処療法的な取組みにならないように将来の視点をもって、未知の世界を恐れずに、経営していくことが必要ではないでしょうか。

 

といっても、ご自身で自分と向き合うのは難しいですし、日常業務に追われて長期的なことを考えたこともない という方もおられると思います。そんな場合は、ぜひ一度、無料相談をご利用ください。

私自身も経営者ですし、また、コンサルタントとしてもたくさんの会社に関わり、改善してきました。
その経験と知識から、御社にとってより良いアドバイスをして差し上げられると考えております。
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