社長は起きている問題を「問題」として解決したがっています。

しかし、その「問題」を表面的に解決しても「問題」は解決しないこともあります。

できごとレベルの問題は「本当の問題」=真因でない場合があるからです。

なので、「本当の問題」を解決するために、「本当の原因」=真因をヒアリングから探していくのですが、その参照モデルが氷山モデルです。

 

氷山モデル

起きている「問題」は氷山でいうと、海上に出ているところ。出来事レベルです。

そして、その出来事は時系列でみると何かしらパターンをなしていることが多いです。例えば、定期的に起きている、増加傾向がある、ある時を境に増加している などなど。時系列のグラフを書いてみるとわかりやすくなりますね。

そうしたら、そのパターンをなしている構造を探ります。たとえば変化点で人が辞めていれば、1人当たりの負荷が増えている とか、組織の制度が変わってそれによってコミュニケーションが悪化している など。

そして、その構造に影響している組織や人のメンタルモデルがあります。残業している人が偉い という風土だったり、忙しくしていないと働いた気がしない などです。

メンタルモデルは変わりにくい

さて、ここで重要なのは、メンタルモデルというのはその人や組織の長年の積み重ねのなかで創られたものなので簡単には変わらない ということです。

ですから、「本当の問題」を解決しようと思ったとき、解決策を施すのは「構造」の部分。「構造」を変えることで「行動」を変えて、メンタルモデルにもゆっくり影響を与えながら「本当の問題」を解決していくということなのです。

 

構造を変えて問題解決するポジティブアプローチ

問題解決には2つのアプローチがあります。

ポジティブアプローチとギャップアプローチです。

ポジティブアプローチは未来創造型課題達成と言われます。
ありたい姿に到達するために必要な課題を設定し取り組むイメージです。現状からプラスの状況を実現するイメージです。

ギャップアプローチは不具合原因追求型問題解決と言われます。
今、起きている問題に対して問題の原因を追究し、解決していくイメージです。マイナスからゼロに戻すようなイメージです。

 

例を挙げて説明をしてみましょう。

例えば、ダイエットしている人がいて、最近、体重が増えてきたと感じているとしましょう。

これをギャップアプローチで考えると、最近食べ過ぎている とか、運動不足だ ということが原因と考え、食べる量を減らす とか、朝のウォーキングの距離を増やす という解決方法を導いて実践する となります。

一方、ポジティブアプローチで考えた場合、なぜ体重を落としたいと考えているかというと、○○さんのような俳優になりたい という「ありたい姿」があって、体重を落とすという目標もあるけれども、その他に楽器も弾けるようになりたいという目標も出てきて、優先度を考えた場合、ダイエットを継続するよりも楽器を習いに行こう となるかもしれません。

 

つまり、ギャップアプローチの場合、原因追求が単一的、近視眼的になりがちなのです。製造業における現場改善のような原因追求型の問題解決にはよいのですが、働き方改革のような人や組織といった複合的に複雑な原因が絡み合っている場合には、本来取り組んだ方がよい課題を見落とす可能性が高い ということです。

働き方改革での活用の仕方

働き方改革でのゴールイメージづくりの場で、ギャップアプローチ的に「問題と感じていることは?」という質問をすると、現状に対してマイナスだと思っていることが出てきやすくなります。

例えば、残業が多いとか、休みが少ないとか、人が足りない、というようなことが意見として出てきます。個人レベルの不満であることが多いです。

一方、ポジティブアプローチ的に「もったいないと感じることは?」と質問すると、レベルの差こそあれ、それぞれのメンバーなりに「こうなったらいい」という自分のありたい姿に対しての意見、つまりプラスに向かってのことが出てきやすくなるという効果があります。

例えば、情報共有ができてないとか、属人化している、といった、チームとして働くという視点、チームの問題点としての意見が出てきます。

 

働き方改革で解決したい、人と組織の問題 は複雑な原因が複合的に絡み合っています。
ギャップアプローチでそれぞれバラバラに「現状の不満」を挙げても、全体としての改革にはつながりません。

ポジティブアプローチでありたい姿を共有することで、組織「構造」の問題解決に近づきます。

複雑な組織の問題の本当の原因をポジティブアプローチで見極めて、解決にむけてすすめてみてください。

 

ご自身では本当の原因の見極めが難しいと感じられましたら、ぜひ一度、無料相談をご利用ください。
私自身も経営者ですし、また、コンサルタントとしてもたくさんの会社に関わり、改善してきました。
その経験と知識から、御社にとってより良いアドバイスをして差し上げられると考えております。
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