働き方改革をチームビルディングで進めることの理由とチームビルディングで目指す組織の3要素については理解いただけたでしょうか(こちらのコラム参照

しかし、実際にすすめるとなると難しいと感じられたかもしれません。

チームビルディングのポイントは、人材力、組織力、関係力を強くしていくことです。

人材力は、メンバーの強み、思考行動の特徴を生かすこと。
組織力は、チームが一丸となって相乗効果を生むこと。
関係力は、やる気と能力を引き出すコミュニケーションをとること。

 

人材力は頭で理解していても、実際の仕事で意識しながら実践できるようになるには時間がかかります。

組織力を強くするためには、働き方のゴールイメージを、メンバー全員が共感していることが必要です。

関係力においても、人材力の理解が浸透しているかどうかが大きく影響します。

人材力、組織力、関係力の中でも、人材力の強化には特に時間がかかります。なぜなら、人はそれぞれのメンタルモデルを持っていて、それに基づいて物事をみるからです。

 

人材力の強化に時間がかかる理由

メンタルモデルとは、「これはこういうモノだ」「ああなったらこうなる」というような人それぞれの固定観念や、思い込みのようなものです。これ自体が悪いわけではありません。

ただ、だいたいの場合、自分のメンタルモデルに本人が気づいていないことが多いので、自分の考え方が正しい と思ってしまいがちです。

メンタルモデルは事実ではなく、思い込みです。したがって、他の人が同じ出来事をみれば、違ったとらえ方になるはずなのですが、そこに気づいていないことが問題です。

つまり、「人と人は違う」 ということは、すんなりと腹落ちしにくいということです。

そして、経験が長ければ長いほどそのメンタルモデルは強固であり、変わるのに時間がかかります。

働き方改革に取り組みはじめたら、このあたりを丁寧にフォローしていくことが大事だと思っています。

また、「人と人とは違う」という考えはコーチングコミュニケーションを学んだところですぐに身につくものではありません。コーチングを学んだ後に、それを実践することが必要です。

 

働き方改革を進めるスピード

働き方改革を進めていくには、人材力の強化に時間がかかることを考慮する必要があります。

しかし、予算の関係などで、1年である程度結果を出したいというニーズは多いです。

特に事務局の方は熱心に取り組まれるので、社内での認知も得たいということもあり、何とか進めて結果を出したいと思われます。

同時進行しているいくつかの部署の進捗も把握しているので、「組織変革には時間がかかる」ということはご承知していただいていても、遅いところについて不安になったりします。

 

しかし、そんな場合にも、「慌てる必要はありませんよ、慌ててはいけませんよ」 と伝えています。

人それぞれ変わることに対する捉え方が違うので、変化するスピードも違います。変化するスピードが比較的遅い特性の方が集まっているチームの場合、必然的に変化が遅くなります。

 

組織の成長は一般的にこのように表現されることが多いです。
(横軸に時間、縦軸に成長度)

直線のようにみえて、実際は黄緑色のような階段状に成長していると。

 

しかし、チームビルディングではこのように考えます。

局所的にみると、タックマンモデルの連続であると。

チームで目指す働き方のゴールイメージを創る過程、ゴールイメージから取り組む課題を設定する過程、課題の進捗でPDCAを回す過程、さまざまな過程において価値観やメンタルモデルが異なる人たちが共通の価値観を見出そうとして対話していくわけです。各過程で、大なり小なり、見えたり見えなかったりの違いはありますが、嵐を迎え、谷をくぐっているのです。

そして、そういう小さな谷をいくつもくぐっていく過程で、信頼関係が醸成され、大きな谷をくぐっていけるようになると思っています。

成果を焦って小さな谷をくぐる過程を端折っていくと、結局大きな谷をくぐれずに成果が生まれないということになります。

なので、ちょっと進んでは戻ってしまうように感じられることもありますが、小さな谷をくぐりにいっているので順調に進んでますよ ということなのです。

 

進歩が感じられなかった例

ゴールイメージ達成のために掲げた課題を検討している段階で、手段が目的化してしまうことがあります。

例えば、「業務の見える化」を課題に設定しました。それは、コミュニケーションをよくしたいというゴールイメージからきています。

なので、どのように見える化できていたらよいか、その方策を話し合いました。スケジュール共有は2週間でいいのか、1カ月にするのか。共有する内容の詳細レベルはどれくらいか などなど。

そのうちに、堂々巡りになってしまいました。「業務の見える化」は手段でしかないのに、目的となってしまったからです。ここで、何のために業務を見える化したいのかを再度考えてもらいました。

そうしていると、「コミュニケーションをよくしたい」ということも漠然としていて、もっと具体的に深掘りしていかないといけない と気づいたのです。

メンバーの多くが全体を俯瞰するのが苦手だったり、実際は、まだまだ探りながらのミーティングだったり、いろいろな事情によりこのような感じになっているのですが、当事者たちは、「進んだと思ったら戻ってきてしまった」という感想をもたれました。

でも、私はこの過程が大事だと思います。なので、「大丈夫ですよ。順調です」とお答えしているのです。

コンサルとしてはもうちょっとお尻をたたいた方がよいかな と思ったりすることもあるのですが、短期的には上手くいったり違いが生じたりしても、長期的にみれば焦る必要はないというのが個人的な思いです。ビジネスという点においては、基本的にゲームセットは無いのですから。

 

働き方改革を進めるサイズ感

一方で、働き方改革を進めるうえで大事なポイントは、「小さく始める」ことです。8名以下くらいの部署(グループとかチームとか)から始めてみるのがよいでしょう。
それも、仕事を普段一緒に行っている部署単位がいいです。

一緒に働いているメンバーで決めた方が、働き方のゴールイメージを共有しやすく、責任をもって取り組みやすいのです。
よって、事務局人数にもよりますが、です。実際の部署単位で2,3チームまでで始めるのが、取り組みが自分事になりやすいという面で望ましい ということになります。

これで結果がでれば、取り組みはじめていない部署からも興味をもってもらえるようになりますし、成功事例をもとに次の取組みをすすめていくノウハウも蓄積できます。

こうやって、取り組む部署を増やしていき、最終的には全社での取組みになるという構図です。

一度に多くの人数で働き方改革を進めた結果、失敗した例があります。その時は、7~80名の組織で取り組みました。中核となるメンバーを選抜し進めようとしましたが、大人数であるがゆえ、問題意識が発散してしまい、ゴールイメージがまとまりませんでした。選抜メンバーが自部署に戻っても先述したような丁寧なフォローができないため、会議が発散したり、愚痴の言い合いに終始してしまったりして、なかなか進まないどころか後退してしまったようなこともありました。

成果を急ぎたくなるのは当然ですが、人が変わる、組織が変わるためには必要な時間があります。

 

働き方改革に時間がかかるのはわかったけど、できるだけ早く成果を得たいとも思いますよね。
働き方改革×チームビルディングは、短期間で成果がでるプログラムです。
一般的に組織学習においては、学びと実践(アクションラーニング)を併用することが効果的と言われています。
そこで、組織に必要な「人材力、組織力、関係力(チームビルディング)」を仮想体験ゲームやトレーニングで学習し、働き方改革プロジェクトをアクションラーニングとして設定し、学びの実践の場としていきます。その結果、働き方改革の成果が早くでるのです。

 

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