会社の経営において、自社の強みを活かすということはセオリーです。
中小企業診断士の試験及び実務補習でもそう学んだ記憶がありますし、SWOT分析は定番です。
(S:強み、W:弱み、O:機会、T:脅威)
正直、中小企業診断士の試験を受ける以前は、SWOT分析という名前は聞いたことありましたが、実際に使用したことはなく、会社の強みが何か もよくわかっていませんでした。
会社のリソース(人、モノ、カネ、情報、ノウハウなど)を整理して、競合に比べて相対的に有利なものが強みだったりするのですが、あまりに普通に、自然にできている(もしくは存在する)ので、気づかないことがよくあります。
そのために、弱みを考えることによって逆に強みに気づく というプロセスが必要だったりするので、SWOT分析は有効な一つのフレームだと思います。
しかし、気をつけないとその弱みに意識がいってしまって、弱みを改善するというアプローチをとってしまいがちです。特に日本人はそういう傾向が強いかもしれません。
そうではなくて、その強みを外部環境などを考慮して発揮していくというのが戦略、特にリソースが潤沢でない中小企業では定石になっていきます。
限られたリソースの中で、あれもこれもはできないし、お客様への訴求力も弱くなるし、ありふれた会社になってしまいお客様に当社独自の価値提供ができなくなるからです。
人の場合
会社の場合はこんな感じですが、ヒトの場合はどうでしょう。
個人として考えた時、自分の強みを意識して、それを発揮して生きているでしょうか。
会社として考えた時、社員一人ひとりの強みを意識して、それを発揮できる環境を整えているでしょうか。
実際は、会社としては社員に対して、みな同じようにできることを求めていることが多いのではないでしょうか。
ある仕事で、育休に入った社員の後継の方。どちらかというと得意でない仕事を任されました。
本人はそれなりに頑張っています。しかし、ミスがちょくちょくあります。
育休に入った社員はそれが得意で、何も言わなくてもミスもなくしっかりこなしてくれました。
そうなると、上司や同僚が「ミスは困るよ。○○さんはちゃんとやってくれていたよ」なんて言うこともあるかもしれません。
しかし、本来は社員一人ひとりにその人なりの価値提供をしてもらうことが一番生産性が高くなります。
チームビルディングでの考え方
チームビルディングでは、人が人に対して与える影響力をリーダーシップと言い、その影響力は強みによって発揮されるとしています。
そしてリーダーシップは、本来、誰か一人が持つものではなく「組織を構成するメンバー全員」が持っている力です。
社員としても、自分の強みを発揮して会社のミッションに貢献している方がやりがいがあるし、また、成長していきます。
当然、その強みを磨くためには弱みを知り、認めることが必要にはなってきます。
強みは 才能×(知識+技術)で表すことができます。
才能は持って生まれたものです。先天的なものです。
それに対して、知識・技術は後天的に身に着けたり、伸ばしたりできます。
知識・技術が同じだった場合、才能が高い人の強みの方が大きい ということになります。そして、そこが掛け算なのでそのレバレッジの効き具合は大きいのです。
つまり、自分の才能があること、もともと得意なこと、自然に発揮できることを強みとして発揮することが大事なのです。
実際、得意なことに関する知識や技術は無理なく伸ばせるし、伸びるスピードも速いです。ということは、弱みを克服することに労力をかけるよりも、強みを伸ばすことに注力した方が良い結果につながりやすいと考えられます。
ということは、社員が自分の強みを理解し、その強みを発揮することが求められるはず。なのに、なぜかすべての社員に、あらゆる面でハイパフォーマーのようになって欲しいと期待してしまっている。そして、そのギャップを弱みとして弱みの改善指導をしているという事態になっている。
そこに、個人的には違和感があります。
大きな話でいえば、学校教育に問題があるのかもしれません。学校教育では内申合計点が高いことが求められ、ある特定の教科だけがすぐれているよりも全体的に点数が高いことをよしとしていますから。
強みの発揮
さて、この強みの発揮ですが、チームのために とか、他者のために というような、組織の目的のために発揮されると効果的です。そして、その強みをチーム全員が理解していることも必要です。
例えば、チームにおける役割として、どのメンバーよりも自分が強みとしていることがあったら、それをチームのために発揮する、それも遠慮なく というのはチームのメンバー全員にとってありがたいことです。
強みの弊害
しかし、強みが弊害になることがあります。
例えば、自分のやり方に合わないことを否定する、周りを見ずに自分のやりたいようにやる という発揮の仕方は問題になりやすいです。強みはだいたいが自然に発揮されてしまっているので自分では気づいていないことが多いのですが、自分勝手な強みの発揮には周りは迷惑していることがあります。
やらかしているときは、強みにまつわっているものです。あるコンサルの方は、弱みは強みの使い過ぎと言われました。要は、強みの発揮の仕方、その目的というのが大事なんだと思います。
強みの効果的な発揮のためには、周りをみること、相手を理解しようとつとめること、応援すること といったことが必要になるのではないかと思っています。
一人ひとりがリーダーシップを発揮できる(=個人の強みや長所を最大限に活かす)組織づくり、それがチームビルディング。それによって、社員も社長も会社も幸福になる社会を実現していきたいと思っています。
強みを活かす組織づくりにご興味、ご関心がありましたら無料相談をご活用ください。
私は経営者であり、また、コンサルタントとしてたくさんの会社に関わり、改善してきました。
その経験と知識から、御社にとってより良いアドバイスをして差し上げられると考えております。
「無料相談のお問い合わせはこちら」
「メールマガジンの登録はこちら」
お気軽にお問い合わせください。受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
無料相談・お問い合わせ