組織(部署、チーム)の成果を上げるためには関係力の向上が必要です。

そのためには面談をすることが一番有効であると思っています。

面談というと一般的には、半年や1年に1回というところが多いでしょうか。
たいていの場合、給与賞与を決める評価のための面談になっていると思いますが、ここでいう面談では評価はしません。

 

面談は月1回がおすすめ

最近は私自身が外出していることも多く、久しぶりに顔を合わせる社員もいます。毎月の面談ではありますが、しばらく顔を合わせたり、話したりしていないと、ちょっと緊張するところもあります。

これが、半年や1年に1回だったら、社長としても何を言われるか不安になってガードを固めて臨んでしまうかもしれません。ちょっとでも自分の意に反したことを言われようものなら、すぐに反撃してしまいそうです。

それどころか、そういうことを言われないように、一方的に話してしまうこともあるでしょう。

一方で社員も、何を言われるか不安だから、あまり本音を言わないでしょう。社長がガードモードなのも伝わっていますので、思い切って話しても素直に聞いてくれそうにないと考え、余計なことは言わないと思います。

こんな状態では、社長に思いがあっても社員に伝わらないし、社員が会社成長のための有益なアイデアや情報を持っていても埋もれてしまうだけです。さらには、自分が会社にいても存在意義がない と思ったりして、最悪の場合、退職してしまうかもしれません。

やはり、社長も含めた社員全員が、会社が安全で安心な場、つまり、心理的安全性が高い場 であることが、生産性が高く、成長していく会社の必要条件です。

 

そのためには、社長と社員の距離感が近い方がいいと感じています。なかには、そうすると社長の威厳がなくなって社員が言うことを聞かなくなる という人もいますが、社長の威厳を保つためだけに社員が言うことを聞いている方がどうかと思います。

したがって、面談の回数は多くなく少なくもない、月1回がちょうど良いと考えています。

 

面談の目的

関係力向上のための面談は「部下のための時間」です。

もう少し具体的に言うと「上司は面談で、対話を通して部下の目標支援と成長支援を行う。」というのが面談の目的です。

関係性構築のために、最初は雑談から入るのがいいと思っています。相手に興味をもって聴いているうちに、お互いの関係性が構築されていくものと思います。

部下からすれば、自分の問題解決や的確なフィードバックをもらえれば上司への信頼も高まるし、結果、関係性もさらに良くなっていきますね。

 

面談を実施する際の注意点

1.コーチングのスキルを発揮する

まず相談者(=会社の場合は部下)のゴールを確認すること。

相談したい人が問題を抱えているとして、その問題を解決した結果どうなっていたいのか。どうなったら本人としては解決だと思えるのか。ここを明確にすることです。

場合によっては、本人が相談している問題が、実は本当の問題ではないこともありますから、そのあたりはしっかり聴いて確認していくことも求められますね。

 

これをしないと、相談者が『こんなことで悩んでいるんです』ということを話してきたときに、聞き手の解釈で整理して、問題を決めつけて、それの解決策をアドバイスする ということになりがちです。

しかし、本人の理解している問題や解決したい問題と、上司が理解した問題がズレてしまっている場合、そのアドバイスは無駄になります。場合によっては、余計なお世話と取られたりします。

そして、そのアドバイスが自分の経験に基づいた「俺はこうだった」みたいなピンポイントの成功事例だと、相談者の状況にマッチしないことも多いでしょう。

なので、忘れがちですが、相談者のゴールを確認するところからスタートです。

2.聞き手のあり方を意識する

コーチングはスキルも必要ですが、ベースには聞き手の「あり方」が大事だと考えています。そういう点でも、「面談は部下のための時間」という定義は有効かと思います。

人と人は違うということを認識してすすめるということが次に大事です。

その一つが効き脳。これについてはこちらのコラムを参照してください。

 

3.相手の価値観に寄り添う

もう一つは価値観です。

よく言われていますが、人が行動する目的は2つだけです。

「快」を得たいか、「不快」から逃れたいか。

では、人によってその「快」「不快」を決めているものは何か。

それが価値観であり、そのベースには「欲求」があります。

欲求には、以下の5つがあります。

1.愛・所属の欲求;愛、仲間、協調など
人を大切にしたい、されたい
人が大好き、誰かと一緒にいたい
一緒に働く人が重要

2.力・価値の欲求;自己価値、重要感、達成感、貢献など
認められたい、役に立ちたい、勝ちたい、結果を残したい、賞賛されたい

3.自由の欲求;独立、自主、自制、選択など
自分で判断したい、自分で選びたい、変化、人にあれこれ言われたくない

4.楽しみの欲求;学び、笑い、好奇心など
楽しみたい、笑いが大切、充実感、学びたい
やりがいのある仕事、好奇心が強い
関心が強い

5.生存の欲求;空気、水、食物、防寒、安全など
安全な環境にしたい、平穏で安定が得たい
住環境や家族のことが気になる

この欲求に基づいた価値観を擦り合わせてもらうワークを研修やコンサルの場で行うのですが、まぁ、ほぼ一つにはまとまりませんね。

それだけ、価値観というのは個人の中に深く根ざしていて、簡単なことでは妥協できないということです。

そのワークの振返りで、「面談や世間話でも、ついつい部下に『なんでそんなこと気にするんだ?』とか、『俺はなぁ・・』と自分の価値観に基づいたことを押し付けてしまっていた」と振り返りされることが多いです。

 

ちなみに、自分の欲求、何を大事にしているのかわからない場合は、それを裏返して、否定された時に一番嫌なこと が、自分の一番大事にしている欲求です。

もちろん、自分の置かれた環境などによって変化していきますので「今は」ということですし、また当然、優劣もありません。

 

まとめ

ということで、社員との距離感を縮めておくためには、やはり、顔を合わせて話す頻度を増やすことが最短ではないでしょうか。しばらく空いてしまって話せてなければ、久しぶりの1回目はちょっと気合を入れて。そうすれば、2回目からは気楽にいけると思います。

 

面談しようと思うんだけど、どのように始めたらよいかわからない。もしくはコーチングのスキルに興味があるという場合は、無料相談をご活用ください。
私は経営者であり、また、コンサルタントとしてたくさんの会社に関わり、改善してきました。
その経験と知識から、御社にとってより良いアドバイスをして差し上げられると考えております。
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