父子と事業承継

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梶川です。

 

昨日、一昨日と両親を連れて墓参りにいった件は昨日書いたのですが、2日間、親子水入らずでしたので、少しはこの話題になりました。

 

父は㈱梶川土木コンサルタントの創業者で、今年で創業44年になります。

地場ゼネコンから独立し、屋台のきしめん屋を2年、店を構えて1年やって創業しました。後で聞いた話では、店はもともと1年だけのつもりだったということで、近所の方に売却しました。

私が入社したのは平成11年。もともと継がなくてもいいという感じだったのに、いつのまにか「いつ帰って来るんだ」になり、いろいろあって入社しました。

平成17年に代表取締役社長になりましたが、その時父は代表取締役会長となりました。

その翌年、平成18年、父は65歳で代表を退きました。そして、以後、会社に顔を出したのは2回だけ。父の旧友が会社に来られるというので出社したのみです。

 

それまでの間に、社長業としてのレクチャーは無し。心構えは時々話しがあったかも。本人にはいろいろな思いがあってのことだったかもしれませんが、本意はわかりません。ある意味、私の好きなようにやらせてもらっていたので、私としてはやりやすかったですが、今思うと社長業を勘違いしていたところもありました。

退任後に顔を出さないことと合わせて、多くの父と同じ世代の経営者(同業ですが)は立派だね~と言いましたし、私自身もそうだよな と思う反面、冷たいのかあっさりしているのかも と思ったりもしました。

今でも同業の中には父世代の社長の方もみえて、ご子息も在社しているのに世代交代していないのをみると、早く代わってもらってよかったと思います。

 

そんな父ですが、創業の時を知っていますので、やはり経営のことは気になるだろうと、また、父を立てていくために、毎月の試算表を自宅に持っていき(同居していないので)状況説明をしています。最近では高齢(77歳)になったので、毎週1回は顔を出すようにしていました。

 

過去形なのは、3か月ほど前に揉めたからです。

ある意味大きな経営に関する判断が必要な状況になり、私なりにいろいろ考えながら進めてきました。株は100%私が持っているので、私自身が判断して進めても何も問題ないのですが、創業者は特別な思いがあるだろうと思い、一応相談したのです。

が、相談にならず一方的に批判、非難されるという事態に。

私としては、そもそも相談しなくてもよいのに善意で相談した という思いがあり、そんなのあたり前だ、こんなのだめだ という返しだったので、かーっとなってそこから先は売り言葉に買い言葉です。

 

今でこそ丸くはなりましたが、もともと頑固で自分の意見はなかなか曲げない人だったので、どちらかというと私としては説得するということを選んできませんでした。

ただ、今回は、自分としては進めたいという思いがあり、いろいろ話をしてみたのですがダメでした。

私の言い分としては、将来のことを考えると、今はよくわからないけど進めた方がよいのではないか。そちらを選択して、責任をもって進めていくことに未来があるのではないか ということなのですが、父にはその未来がわからない、見えないのだろうと思います。なぜ、そういう判断をしなければいけないのかという疑問ばかりです。そして、徐々に、重箱の隅を勝手に勘違いして非難を始める展開。

そして、しばらく距離を置くことにしたのです。

 

客観的に分析すれば、私が父にもっと事前から説明相談して、一緒の未来(ビジョン)を見られるようにすべきだったと思います。また、社長になって12年、それなりにやってきたし、勉強もしてるし、父の言う経営判断はもう古いだろう と見下すような私自身に驕りがあったのだと思います。

父子という関係に甘えていた部分もあったろうと思います。父なんだから、子の言うことはわかってくれるだろう、わかるべきだ というような。

でも、父なんだからいい加減子供のことを認めてくれよ とか、子が変わらなくても父が変わってくれよ みたいなことは率直に思ってしまったり。

第3者との関係性ではやらないようなこと、手順の省略みたいなことを親子ではやってしまうんですね。

 

経営者の関係と親子の関係は別物とはいいながら、同族企業の場合は一緒になっちゃうのは仕方がないんですかね。わかってても出来ません(苦笑)

今回の大きな経営判断については結果的に私が引きました。父のせい ということではなく、私が総合的に判断して決めました。だから、後悔はありませんし、この決断に基づいて未来を作っていこうと決めました。

 

そして、今回の墓参り。気分的には重いところもあったのですが、親孝行もありますので気持ちを引きずらないようにして行ってきました。足元がおぼつかなかったり、手作業が遅くなったりする姿をみて多少感傷的になったりもするので、行ってよかったなとは思いました。

車中でこの話題に少しなったときに、「事前に相談して、親子の風通し、コミュニケーションをよくしてくれよ」と言った父に対して『また上からかよ。変わるなら自分からで、人は変えられないんだよ』と思いながら「そうですね」と答えたことは内緒です。