現場で判断できるようになるために必要なこと
働き方改革×チームビルディング
働き方改革はチームビルディングで実現!
人が活きて業績があがる本当の働き方改革を広める
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。
残念ながら日本は負けてしまいましたが、今回はラグビー ワールドカップ日本代表のことから書いてみようと思います。
基本的に、勝負は時の運 と思っているので、勝ったからここがよかった とか、負けたからここが悪かった というのは言わないようにしようと思っています。
もちろん、準備不足や怠慢だった とか、圧倒的な力の差 が無い前提ですが、そもそもあのレベルでそれは無いと思いますので。
どれだけ準備してきても、その場その時で状況は変わりますし、それによってメンタルも左右されればミスがでたり、思いもよらないことも起きます。
同じカードで2回やれば同じ結果になるとは限りませんし、そういう意味で、終わってから理由や原因を探るのは後付けのような気がするからです。
また、経営との関連についても、基本的には異なるものと思っています。
経営は基本的にゲームセットやノーサイドはありませんので、時間軸を考えるとああいうチームの作り方(個人のモチベーションの上げ方なども含めて)は難しいのではないかと思うところもあり、会社としての組織づくりに結び付けて考えるのは参考にとどめるくらいです。
もちろん、観戦して感動しますし、すばらしいと思っています(笑)にわかファンではありますが。
では、なぜ書こうかとおもったのか というと、サモア戦のあとスクラムハーフの田中史朗選手が記者会見に臨んで答えていた内容が印象的だったからです。
記者の
「4年前と比べてチームとしてより強くなっているとより実感しているところはなんでしょうか?」
質問に対して、田中選手は
「自分たちでしっかり判断できるチームとなったこと。4年前もハードワークの中で自分たちで考えてやっていたけれども、もともとのラグビーが決まっていた。今は、相手の力、クセ、そういうことを試合中にみながら自分たちで判断できるようになった」
と答えました。また、
「リーダーを中心にさらに、みなで同じような方向を向けている」
というコメントもありました。
組織が変わっていくプロセスは、これまでに書いていますようにタックマンモデルです。
成果を上げるには、谷をくぐらなければいけません。
それはすなわち、不安や恐怖を乗り越えなければいけないのですが、そのために必要なポイントの一つが、共通の目的やそれを達成したビジョンがある ということです。
全員が達成したい目的やビジョンを共感をもって共有できているので、そこにむけて頑張れる。
厳しいフィードバックも受け取れる。
そうして、谷をくぐっていけます。
そして、もう一つ大事なことは、コミュニケーションの量です。
谷をくぐるときは不安です。ですから、ちょっとしたことで疑心暗鬼になったり、自己否定したり、他者を責めたり ということが起きがちです。
その結果、谷をくぐるのを止めてしまう。もしくは、谷を突き破って落ちてしまう。
そうなると組織として成果をあげられずに終わってしまいます。
そうならないために、丁寧にコミュニケーションの量を増やして、対話を増やすことが大事です。
不安になる理由の一つには、一つ目の大事なポイントの共通の目的やビジョンが明確になっていないために、メンバーの腑に落ちていない ということがあります。
実際に、にわかファンながら過去のインタビュー動画などを観ていくと、4年前でもエディージョーンズHCの指示に納得がいかずにぶつかりあったり、メンバー同士でミーティングを何度も開いて話し合ったというようなことがありました。
そうやって、何度も何度も、いろんなメンバーと話し合いを続けて、自分の目指すべきものが明確になることで力を発揮できるようになっていくということです。
そのプロセスを経て、皆が同じビジョンを描けるようになると、細かい指示がなくても自分で動けるようになっていきます。
もちろん、その実行を可能にする技術力や体力などの支えがあって、そしてそれは圧倒的な練習量の賜物であることは疑いの余地がありません。
今回の日本代表の試合でも、試合中によくコミュニケーションを取っているように見えます。
おそらく、先述の田中選手の言葉を借りれば、相手の力やクセなど、状況に応じた細かい戦術変更について話し合っていると思われます。
そして、それを同じビジョンとして持てているのだと思います。
短時間でそこまでできるのは、これまでに圧倒的なコミュニケーションの量があったからでしょう。
今回、田中選手の記者会見のコメントが印象的だと思った理由は、このこと=自分たちで判断してできるようになったこと を自分たちが成長したことと位置付けていることです。
目指すラグビーについて大きなところでは共有しているけれども、現場でおきるさまざまなケースについては指示しきれない。だから、目指すもの=判断基準に照らして現場で判断しなければ勝てない。だから、自分たちで判断できるようになったことが成長したと考えているのでしょう。
であれば、現場現場で判断することを求められる仕事の場合は、日本代表のチームづくりに学ぶところはあるのではないかと思うのです。
目指すビジョン、コミュニケーションの量。いかがでしょうか。
余計なことになりますが、スポーツの場合は相手がいて勝負の世界ですから、勝ち負けがあります。
ですが、仕事の場合は相手との勝ち負けはないと思っています。
もちろん競合はいるのですが、お客様に価値提供できているかどうか だけが判断基準だと。
そうすると、試合という感覚も、そのための準備もスポーツとは違うかなと。
そんなところも、経営とスポーツとを結びつけない理由です。考え方の原理原則は同じだと思いますが。
それでは、今日はこの辺で。
最後までお読みくださりありがとうございます。