組織で刃を研ぐ

働き方改革はチームビルディングで実現!
人が活きて業績があがる本当の働き方改革を広める
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。
Merry Christmas!
さて、先回、「刃を研ぐ」と書きました。
今回は、その「刃を研ぐ」ことについて書きたいと思います。
(石見師匠のチームビルディングコミュニティでの学び(TOC理論)からの考察です)
木を切る人が、斧が刃こぼれしているために「刃を研ぐ」場合、その理由は、生産効率を上げるためです。
刃こぼれしたていたり、鈍くなっていた場合、その部分の生産性が落ちますから、その部分だけ研げば生産性は元通りになります。
(実際には、その部分だけというわけにはいかないので全体を研ぐと思いますが)
会社で仕事をする場合の「刃を研ぐ」=生産性を上げる とはどういうことでしょうか。
会社で仕事をする場合は、複数の人が関係しながらになります。
そこに仕事の流れができます。
実際には複雑な流れになると思いますが、1列になって山を登っていくとしましょう。
歩みをすすめていくと、途中からAさんのペースが遅くなってしまいました。
Aさんより前のメンバーはこれまで通り登っていきます。
Aさん以降のメンバーは遅くなったペースに制限されるので、Aさんの前と後でどんどん間が空いていきます。
個人の趣味や競争なら、これでもよいかもしれません。
それでもAさんより前のメンバーは達成感があっても、Aさんより後ろのメンバーはストレスがたまったり、怒ったりするかもしれませんが。
チームとして仕事の成果を上げる ということは、Aさんより前でもAさんより後ろでも、一緒に登っていくことが必要です。
このとき、全員がAさんのペースに合わせたなら生産性が落ちる ということになります。
逆に、Aさんのペースはそのままなのに、Aさんの前のメンバーがスピードアップしたり、後ろのメンバーがスピードアップしても意味がありません。
Aさんのペースが 制約 になっているからです。
しかし一般的には、目標達成のためにはペースを落とすわけにはいきません。
となると、Aさんにペースを上げるように要求します。
ときには、Aさんの後ろのメンバーはAさんに怒り出すかもしれません。
しかし、AさんのペースはAさんの力だけでは上げられないのです。
それは、能力 かもしれません。
必要な情報がない のかもしれません。
知識がないけど相談できる人がいない のかもしれません。
一般的にはAさんの能力不足を原因にすることが多いのではないでしょうか。
そうなると、解決策としてAさんの育成に主眼が置かれることになります。
それは間違いではないのですが、成長するには時間がかかりますから、それを待てる時間軸ならOKということです。
そうでないなら、他の解決策が必要です。
全体を見ながら最適な解をみつける=全体最適であるように、解決策を考えます。
といっても全体を見れている人は一部であり、現場で働いている多くのメンバーは全体を把握していないことが多いです。
群盲象を評すというところでしょうか。
この話には数人の盲人(または暗闇の中の男達)が登場する。盲人達は、それぞれゾウの鼻や牙など別々の一部分だけを触り、その感想について語り合う。しかし触った部位により感想が異なり、それぞれが自分が正しいと主張して対立が深まる。しかし何らかの理由でそれが同じ物の別の部分であると気づき、対立が解消する、というもの。(ウィキペディア より)
ですから、関係メンバーが集まって、お互いの背景なども理解しながら(対話しながら)全体像を共有し、解決策を考えることがポイントです。
そうすれば、前後の関係性や全体情報共有の問題などの課題が見えてくるかもしれません。
決してAさんだけが悪いのではないのです。
たとえ、能力が低いとしても、それを承知で配置している というマネジメントの仕組みがあります。
つまり、「人」の責任ではなく「しくみ」で解決することが大事です。
これが組織に置ける「刃を研ぐ」ということだと思います。
そして、そのためには、対話する「場」「時間」が必要ということです。
時間がないので「刃を研がない」と、人のせいにする文化になりやすい とも言えます。
生産性を上げるために「刃を研ぐ」か、時間がないと言い続けるか。
どちらの選択がよい未来に続いていくでしょうか。
ちなみに対話する「場」を効率的にすすめるのに、付箋を使った会議を行います。
詳しいやり方はチームビルダー仲間の清水亜希子さんのこちらが参考になります。
余談にはなりますが、自分らしく ということが単独で重視されすぎて、会社の中でもそれを主張することがあるかもしれません。
それが、今回のAさんのポジションに該当した場合、自分らしくあることで制約になってしまい、全体の生産性が落ちてしまうこともあり得ます。
経営者として、それは アリ なのか ナシ なのか、そして組織の中での「自分らしく」のマネジメントについて向き合う時がくるかもしれませんね。
それでは、今日はこの辺で。
最後までお読みくださりありがとうございます。