悪魔の代弁者

働き方改革はチームビルディングで実現!

今いる社員がそれぞれの強みを発揮して
ビジョンを実現する強い組織づくりをすすめる
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

事業を進めていくと、いくつも意思決定が必要になってきます。

みなさんのところでは、どのようにして意思決定されているでしょうか。

多数決でしょうか。

トップの一声でしょうか。

いずれにしても、決定までのプロセスが大事ですが、その時にポイントとなるのが反対意見です。

多くの組織論の研究において、多様な視点による意見の対立が起きた方が意思決定の品質が高くなるということが示されています。

 

多様性があって心理的安全性の高い組織においては、反対意見や異質な意見が言いやすいので、おのずと良い意思決定ができる ということになります。

逆に同質性の高い組織では適切な意思決定ができない可能性が高いということになります。

多様性があってもそれを活かせない組織も同じです。

働き方改革や生産性の向上が叫ばれている現代、なるべく効率よく仕事をしていきたいので、無用なトラブルや摩擦は避けようとする傾向が強いのではないでしょうか。

そういう場合、会議での反対意見は出しづらく、逆に反対意見が出ると 空気を読んでない という目で見られるかもしれません。

同調圧力が強い組織ほど、そうなる可能性が高いかもしれません。

しかし、先述の通り、組織の成長や適切な意思決定のためには異質な意見を受けとめて議論する必要があるのです。

 

反対意見と一口に言っても、自分が気にくわない とか、自分が損をしないため とか、利己的な理由もあったりしますので、それを排除するのには ホラクラシーのガバナンスミーティングのやり方が参考になると思っています。

前提として、「反対意見は、より良い提案(統合案)にしていくためのリソースである」という考え方です。

そのプロセスは、提案→質問→リアクション→再考→反対意見→統合 というように進めます。

本来はきちんと詳細な進め方が決まっているのですが、ここでは詳細を割愛させていだきます。

私が参考になると思っているのは、反対意見は「この提案によって組織が後退したり、損失を被るこうとがありそうか。あれば伝えてください」というルールと、「反対意見を解決するために何を加筆もしくは変えればよいか」を反対意見を述べた側が提案し統合する というルールです。

あくまでも組織が良くなるための提案(反対意見)であることと、そこに責任をもって統合案を提案するということで、利己的で不毛な議論を避けることができると思っています。

 

それでも、ホラクラシーのルールですから、自立的なメンバー同士なので可能なプロセスかもしれません。

自分で統合案を出さないといけないなら面倒なので反対意見を言うのをやめよう と思う社員がいてもおかしくありません。

そんなときは、あえて2つ、3つのチームに分かれてわざと違う意見を闘わせるという方法がよいかと思っています。

あえて反対意見を持ったメンバーとしてなりきって、反対意見を述べる。

そうすることで、反対意見を否定されたことで自分が否定されたような気にならずに済みますし、客観的に反対意見を考えることができますし、元の意見のメンバーも客観的に聴くことができ、結果的に冷静に多様な意見交換ができるのではないかと思います。

これに慣れてくれば、反対意見が出ることが普通になり、あえてチーム分けしなくても思ったときに意見を言うことができる風土になっていくことも期待できます。

 

いずれにしろ、意思決定の質を高めるには多様な意見が必要であることを理解しておくことが、トップとしては大事だということです。

そのためにも多様性のある組織であることが求められているのですね。

もう一つ補足しておくと、VUCAの時代と言われるほど不確実な時代になってきた今、意思決定のプロセスで出てきた意見を一つにまとめない方がよいと思います。

未来は決まっていないので恣意的に一つにするのではなく、こういう未来もあるよね、そういう未来の可能性もあるよね、と理解しておき、実際は行動しながらそのときそのときで意思決定していく ということだと思うのです。

1つに決めてしまうと、それから逸れた時に正しい判断ができなくなってしまうのではないかと。

そうはいってもなかなか難しく、弊社でもできているわけではありません(^^;)

なるべく社長の顔を伺わないで意見交換できるように、サーバントリーダーシップを心がけていますが。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。