一口にコミュニケーションが悪いといいますが。

社員が自立的にやりがいをもって働いて、社長が本来の仕事をすることで可能になる、
持続的経営=自働経営® の実現をサポートする
自働経営®ナビゲーターの梶川です。

 

先日、ある団体にてコミュニケーションというお題について弊社の事例をご紹介させていただく機会をいただきました。

コミュニケーションという切り口で言えば、弊社の場合は、
部署内の業務に関する打合せ のほか、
部署を超えたチーム活動、
部署を超えた毎月のクロス面談、
毎月の目標確認ミーティング、
などがあり、
コミュニケーションのベクトルが入り組んで複雑になるように意図しています。

一見、面倒で非効率なように感じると思いますが、その理由をお伝えできればと思います。

コミュニケーションが悪い と多くの経営者、管理職の方から相談されます。

ひとくちにコミュニケーションと言っても、いろいろな関係性があります。

企業で問題にされるコミュニケーションは組織で成果を出すために必要なコミュニケーションということになると思います。

では、ここで成果がでる組織(チーム)は?
を考えてみると、

人材力→組織力→関係力
というように、人材力、組織力、関係力の3要素が機能している必要があります。

人材力とは、
人と人の違いです。
思考特性や価値観、強み弱みといったことは一人ひとり違うということです。

組織力は、
ミッション・ビジョン・バリューや、しくみやルール、風土、目的目標など、会社のシステムなどです。

関係力は、
人と人の間の関係性。いわゆるコミュニケーションです。

コミュニケーションが悪い という場合、関係力の前=組織力やその前の人材力 に問題があることが多いです。

たとえば、組織力で考えると、
チーム内のコミュニケーションと言いながら、その目的、つまり、そのコミュニケーションで何を達成すればいいのかが明確になっていない というケースが考えられます。

チームで成果を上げるとしたらどんなコミュニケーションがチーム内でお互いにとれていたらいいか
ということです。

チームで成果をあげる という意味の成果とは何か。

そしてそれを効果的に上げるとしたら、お互いにどんな情報が必要か。
そしてその情報のやりとりの頻度や方法はどのようにすればよいのか。

これをチームで話し合って明確にすると必要なコミュニケーションができるようになります。

人材力で考えると、
同じ仕事でも、隣のチームであれば構成メンバーが違うように、そのコミュニケーションの方法は
チームによって異なります。

つまり、人が入れ替われば違うチームになるので、これまでのやり方ではうまくいかなくなることがある ということです。

それを考慮せずに一部の声の大きな人がルールを決めたとしたら最適なコミュニケーションの方法は
みつからないでしょう。

かといって、みんなで話し合ってもうまくいかないこともあります。

あいつとは相性が悪い とか、話しが合わない というようなことが起きるからです。

これはつまり、自分を中心に考え、自分と合わない人は間違っている という考え方に陥っている状態です。

人というのは本来、誰一人として同じ人はおらず、10人いればそれぞれの人のフィルターを通して世界を見ているので、唯一の現実世界というのは存在しないのです。

とすれば、人と人は違うということを前提としたコミュニケーションがおのずと求められるということになります。

その前提は、自分との違いをわかろうと思って聴く。

なかなか難しいですよね。
そして、やろうと思うと面倒ですし、コミュニケーションに時間がかかります。

これが、弊社がコミュニケーションのベクトルを複雑にしている理由です。

これによって、お互いを理解する機会が増え、必要なコミュニケーションがとりやすくなるからです。

お分かりの通り、成果をあげるコミュニケーションをしようと思うとコストがかかるのです。

しかし、生産性向上、効率化をお題に掲げると、コミュニケーションが簡素化します。

そして、結果的に成果があがらないという矛盾が生じてしまうと思うのです。

コミュニケーションと言うととても汎用的な表現ですが、まずは、自社や自組織に求められるコミュニケーションを具体的にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。