働き方改革卒業

社員が自立的にやりがいをもって働いて、社長が本来の仕事をすることで可能になる、
持続的経営=自働経営® の実現をサポートする
自働経営®ナビゲーターの梶川です。

 

とあるご縁で県を超えた同業他社様たちとの、働き方改革の事例共有会に参加させていただいています。

それぞれの会社でのこれまでの取り組みや最新の取り組みの事例を共有して、自社への取り組みの参考とすることが目的です。

弊社以外の会社様は取り組み始めて2~3年目です。

弊社は10年になります。

今回の共有会にあたって、私たちが伝えるべきは何か ということを考え、その結果、一つのメッセージとして 「働き方改革からの卒業」 を掲げました。

弊社が取り組み始めた10年前は、働き方改革 という言葉はなく、ワークライフバランスに取り組むというところからのスタートでした。

そもそもそれに取り組み始めたというのも、経営理念として掲げている 社員の幸福 を実現するというところからです。

当時は、社員を幸福にする と考えていました。

何年か経って、社員の幸福とは社員の中にあるものであって、外側から幸福にすることではない と思うに至り、3年ほど前には「社員が幸福になれる会社」と変わりました。

そして、同じくして新たに「自分の人生に責任を持つ」を加えました。

自分の人生に責任を持つために、主体的にその人生を選択している ということが大切だと思います。

だから、いろいろなことをやらされているのではなく、主体的にやっているという意識をもてるようにしたいと考えています。

もちろん、いやいやなこともあるでしょう。でも、やらなければいけない と思えばやるしかありません。

仕事ではなく自分の人生だったら面倒でも自分で決めていかなければいけません。

そういう人生を送れるように、会社の中でも主体的に決めてもらっています。

 

なので、働き方改革のために取り組んでいるのではありません。

そういう意味での「働き方改革からの卒業」という意図だったのですが、思いのほかこのメッセージのインパクトが強かったようで、いろいろな反応をいただきました。

特徴的だったのは
「働き方改革の卒業ということで、私たちよりも先に行っている」
「私たちも早く卒業できるようにがんばりたい」
「自立型に取り組んだ結果も教えて欲しい」
というようなことでした。

「働き方改革」という名目での取り組みは卒業してくださいね、取り組み自体はずーっと続きますよ ということを伝えたかったのですが、なにやら、卒業 という言葉が誤解を生んだような気もしますが、いつかは働き方改革が終わるかと理解している印象です。

働き方とは、会社として営んでいくなかの一つの要素でしかありません。

会社として目指すものを実現するという目的があって、それを実現していく過程ではいろんな課題が発生します。

取り巻く環境が変わったり、それに伴って戦略が変わったり、戦術が変わったり、、、

そして、それを実行するのが人であれば、人による問題も当然発生します。

しかし、人による問題は会社にとって面倒なものと認識されていることが多いように感じます。

だから、それをルールや力で抑圧したり、無視したりします。

働き方改革とはそこに一矢報いるという意味があります。

しかし、会社(経営者)が人による問題が面倒なもの という認識であれば、働き方改革とは面倒なものです。

だから、余計な取り組みに感じてしまうのかもしれません。

 

そういう意味では、実行力が人によるものとして、各社員が最大限の生産性を上げられるということを経営戦略ととらえて取り組むのは良い方向ともいえます。

私もかつてはこういう言い方をしていましたが、なんとなくしっくりこなかったところもあります。

というのは、あくまでも業績や成果を上げようとして社員の生産性をあげる手段として働き方改革を利用する という考え方のように感じられるからです。

どうしても、会社が社員を利用するというようなニュアンスに感じられるというか。

結果的に、社員も幸せになって会社も業績があがって ということなら良いような気もしますが。

ただ、これだと働き方改革はひとつの戦略としていつまでたっても独立したものです。

 

弊社の場合、会社の目的が 社員の自立 だから、それぞれが自立した社員として自覚して働くことによって会社の未来が決まっていく つまり、業績や成果は結果なんですね。

自立した社員が自立して働けるように会社を整えていくための取り組みをしていると、成果があがるかもしれない という感じです。

その取り組みそのものは、結果的に働き方改革を包含しているので、働き方改革を別物として取り上げる必要がない ので、働き方改革は卒業と考えたということです。

業績や成果が結果論 ということがいいかどうかはわかりません。

が、属している会社があったほうがいい と社員が思えば残っていくでしょうし、そうでなければなくなっていくだけのことだと思っています。

とはいえ、この考え方をみなさんにおススメするわけでもありません。

こういう風に経営に取り組んでいくと、いろんな社員がいますから、いろいろなことが起きますし、取り組みについても当初想像していた通りに進まないこともあります。

ですから、その都度ハンドリングしていくことは終わることはありません。

いわゆる働き方改革というような取り組みが終わることはない と思っています。

 

もう一つ、メッセージとして話したことで反応が大きかったのが、トライアンドエラー。

私たちの取り組みは、やってみてうまくいかなければやり方を変えたり、取り組みそのものを変更したりしています。

いわゆる、やりながら学ぶ とか、タックマンモデルに従う ということなのですが、結構な数の「トライアンドエラーでいいんですね」というコメントをいただきました。

決めたことはちゃんとやらないと と思っている方が多いということだと思います。

一品モノを作り、安全安心が一番大事で安全率高めな設計条件の業界=失敗できない という要因も多いような気もしますが、始めてやることはわからないことが多いのですから、とりあえずやってみないとわからない ということが意外にむずかしいのかも という気づきでした。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。