ホラクラシー考察 その2

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梶川です。

 

週末を挟みましたが、今回も前回に引き続いてホラクラシーについて考えてみたいと思います。

今回は、情報の共有化について。

 

そもそもなぜ、私が今でいうホラクラシーのような組織がいいなぁと思い、目指そうと思ったのか。

それは、お互いに依存関係にない組織にしたいと思ったからです。

だれかに何かを言われてやる ということでなく、自らやる。多くを指示しなくても自ら動く。皆、大人なんだし、その方がモチベーション高くやれるのではないか という思いです。いわゆる、自立型組織です。

一方では、創業者と違いカリスマ性もないので、一人ひとりに力を発揮してもらいたい ということもありました。

そういう意味では、会社はだれのもの? という問いがあったように思います。

 

ただ、自ら動けるためには、自分で判断できなくてはいけない。自分ごとにならなければ動かないだろうと思っていました。なので、究極は雇用関係でなく委託関係にできないか ということをまず考えました。

しかしこれは、業界的な理由で現時点ではあきらめざるを得ません。雇用している社員の技術資格の総計が会社の評価点数になり、それが受注できる仕事のランクをある部分で決定しているからです。建築のプロジェクトのように、プロジェクトごとに必要なメンバー(技術力や消化能力など)が集まってプロジェクトを実行するイメージが一番よいと思っているのですが、それはできません。

ダイヤモンド社は雇用関係を放棄しています(全員ではありませんが)。つまり、雇用による依存関係をなくして、ヒエラルキーを排除しています。社員(メンバー)の自立の一歩です。

 

そして、自分ごとという視点でみたとき、武井さんの表現によれば、当事者意識は当事者にならないとわからない。つまり、経営者意識は経営者にならないとわからない ということです。

雇用関係を放棄して、委託関係になる ということもこのひとつです。

もう一つは、結局、人は金に引っ張られるということなのです。例えば、何かを買ったり、投資したりするときに、自分の財布であれば、いくら残っているとか、今後いくら使う予定があるからいくら残しておこう ということを判断できますが、会社のことでそのあたりがわからなければ判断できません。

だから、権限によって稟議決済の額を決めるのですが、所詮、使っていい額が決まるだけで、会社としてそれがどういう判断になるのか、どういう意味があるのか ということを理解することにはなりません。つまり、お小遣いをもらった子供と一緒で、親がどれくらい苦労して給料もらっているとか、どうやって工面しているとか知る由がないのと同じだと思います。

これでは、経営者の視点を持つということはできません。これも武井さんの表現を借りれば、お金は使うときにならないと当事者意識は持てない、肌触りというか肌感というか、そういうときでなければわからない ということなのです。

よって、経営者と同じ意識をもってもらうためには、経営者と同じ情報を知って、ものごとを考えられるようにすることが必要になるのです。これが、情報の共有化、オープン化の必要な理由です。

なので、ダイヤモンド社は給与はもちろんのこと、経費や決算状況など、すべての経営情報をオープンにしています。

 

そして、もう一つの意味合いは、情報の非対称性をなくすということです。情報の非対称性がある ということは、情報を知っている人が有利で、知らない人は損をする状況になります。行動経済学でいうエージェンシー理論で説明されることで、非合理的な状況を現しています。

一般的に会社では、職位が高い人ほど持っている情報が多く、下の社員になればなるほど情報がまわってこないという状況です。つまり、職位の高い人が有利になり、その結果、ヒエラルキーが生まれます。

これも排除したい。

そうやって、武井さんの言われる自律分散の条件のうちの、透明性、流動性が整っていくと考えます。そうなると、人間同士の感情のカベもなくなっていき、解放性も整っていくと思います。

その結果、心理的安全性の高い職場となり、マネージャーがいなくてもマネジメントが効くという環境ができるのでしょう。

 

とは言うものの、やはりこれを弊社で実現しようとするのは正直難しいところがあると思います。自分自身だけの問題ではなく、創業者(父)に絡むさまざまなことをクリアしなければなりません。だからと言ってあきらめるということでもありませんが、では、ティールでなければいけないのか。

そのあたりを次回、考えてみたいと思います。

 

それでは、今週もよろしくお願いします。