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梶川です。
最近、ちょくちょくブログでも触れている 行動経済学。きちんと学んだわけではないのですが、こちらの本を2年ほど前に読みました。
帯にも書いてあるように(この写真にはないですが・・)、人間の意思決定メカニズム について、自分の感覚に対してうなづくことが多く参考にしています。
上下巻あって結構なボリュームで、本当に興味深いことが数多く紹介されているのですが、自分にとって一番衝撃的?納得感が高かった?ことがあります。
世の中のビジネス書には、成功している企業と失敗した企業の事例を比較したりして、成功の要因と失敗の要因を導き出し、教訓のように示唆している本が多くあります。
私も、何冊か読んだことがあります。
それに対して、
一つ目は、後知恵バイアス。成功の法則にしても、失敗の教訓にしても、後から理由づけされているだけであって、その瞬間には「わからない」ということ。往々にして、後から考えるとこうだった ということを、さも、その瞬間の判断基準になるかのように記述されるが、それは無理だということです。
では、企業が成功する確率は? というと、コントロールできない要因だけで決まるとすれば50%。コインの表裏の確立と同じ。つまりは「運」だということです。
二つ目は、ハロー効果。素晴らしい業績を上げている企業のCEOは素晴らしいに違いないから、何らかの理由があるはずだ。失敗した企業のCEOは何かしら失敗したに違いない。という視点から、CEOとしての考え方の違いや立てた戦略、経営規則や手続きといった部分に違いがあるという結論を導き出すということ。
これについては、確かに実績に影響を与えていることは間違いないが、企業の成功とCEOの手腕との相関係数をかなり甘めに見積もったとしても、せいぜい0.3だというのです。つまり、あらゆる成功要因の30%程度ということです。
これを先ほどの「運」との掛け合わせでみると、優れたCEOの率いる会社がよい業績をあげる確率は約60%。運頼みより10%高いだけである と。
実際に、ビジョナリーカンパニーやエクセレントカンパニーで取り上げられた企業のその後を追ったら、そうでない企業との差は小さくなる一方だったという調査結果も記載されています。
これを読んで、なんだ「運」で決まるのか! といって、計画的に経営することをやめた と短絡的にはとらえませんでしたが、やはり経営って想定通りにはいかないし、勝てば官軍 のところもあるしなぁ という思いを強くしました。
そして、どんなに立派な経営計画書を作っても、ムダとは言いませんが、必要以上に数値にこだわって作っても意味がないんだろうな と。それよりも、経営者自身の想いを明確にする意味あいを強くするべきかなと。その想いは、日々、その瞬間瞬間に最善を尽くす ということのベースになるもの(未来の結果を恐れて一喜一憂しないための判断をするための拠り所)であるべきだと考えています。
逆に言えば、ある意味「運」なのだから、悪いことが起こっても、想定外のことが起こっても、必要以上に自分に責任を負わせる必要もないし、開き直ることもできるのではないかと。だから、恐れずに進み、上手くいかなくてもためらうことなく報告転換できるのではないかと。
もし、後悔するとしたら、自分の判断に自信がなかったときか、さぼっていたときか だと思います。だから、先述のように、日々最善を尽くすことしか、経営者はできないのではないかとも思います。
と、いうようなことを、この本を読んで改めて強く思ったのでした。
なんか、一見立派(風)なことを書いていますが、自分に毎日言い聞かせていいる感じです(汗)