働き方改革に求められるダブルループ学習
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変わりたい社長のメンタリングパートナー
梶川です。
先日、働き方改革で伺ったコンサルでのことです。
これまで7回ほど集まって話し合ってきた、今後取り組む課題についてまとめに入ろうとした時です。
ひとりのベテランの方が意見を述べられました。
「このままでは何も解決しない。自分たちでできることにしぼって ということだったので黙っていたが、意見を言わせてほしい」
といって、これまで出てきた課題候補一つ一つに、出来ない理由を申し立てていきました。
その理由はすべて、外部 にあるというのです。
その方は30年以上、その業界で勤められているベテランです。
業界としては確かに、上位の指針に左右されるものが多いのも事実です。
しかし、指針も変わっています。解釈も変わっています。
それでも、その方は30年間の経験・歴史に基づいて異論を唱えていきました。
自分の見方、自分のフィルターの中だけで判断しているのです。
上位から決められた指針という前提に従って行動し、フィードバックを重ね、その中で工夫をし、これまでやってきた。もう、これ以上、工夫のしようがない。だから、指針が変わらなければ無理 という論法です。
一見、ダブルループ学習のようにみえますが、前提をもとに意思決定するプロセスにおいて、過去の経験の範囲内、あるいは過去の延長線上でしか判断していません。
ダブルループ学習とは以下の図に示すように、「適切な物事」に取り組んでいるか?を自らに問い、前提をも見直す思考です。複雑性の時代に起こる様々なビジネス環境の変化において有効なアプローチです。
これと反対に、シングルループ学習とは、物事に「適切に取り組んで」いるか?を問う思考です。
決められたことを適切に取り組めているか、PDCAを回すことがこれに当てはまります。
経験の範囲内、あるいは過去の延長線上に解がある場合には有効なアプローチです。
現在の状況を解釈するときに、自分の前提は正しかったのか、自らの思考を客観視することが本来のダブルループ学習です。
先述のケースでは自分自身の思考を客観視するには至っていません。
働き方改革では、働き方はもちろん、組織風土、思考習慣などを、過去の経験や過去の延長線上にないところに変えていかなくてはうまくいきません。
これまでの前提は正しかったのかを客観視できるように、自分の考えを一旦保留できるようにしていただいていますが、それでも長い時間かけてつくられたメンタルモデルは強固です。
場 や、会議体 を変えるなどして、丁寧に向き合っていく必要があると思った日でした。
今週もありがとうございました。また、来週よろしくお願いします。
Have a nice weekend!