自律型組織になるために必要なフィードバックという技術

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梶川です。

 

フィードバックってよく聞きます。

電気回路などで使われたり、仕事でもよく使います。

もともとは大砲で砲撃したときに、着弾点が的からどれくらい外れているかを知らせたことから始まったとも言われています。

ということは、フィードバックする相手がどこを狙っているのかを知らないと的外れになってしまうということです。

よく私も「いまの研修のフィードバックいただけますか?」と同行した方に聞くことがありますが、これはダメということですね。これは感想を聞いているだけです。なぜなら、質問相手にこちらの目標を伝えていないからです。

 

自律型組織になるために社員に自律的に動けるようになってもらう必要があります。

そのためには、社員が

1.会社のビジョンやミッション、目標、部署や個人の目標を知っている

2.それに向かって行動している

3.行動が正しくなければ自分で修正する

ができる必要があります。

そのうちの3について重要になってくるのがフィードバックということです。

本人が正しくできていると思っても、客観的にズレている場合はこれをフィードバックする必要があり、その結果修正することができるのです。

 

フィードバックによって理解できることには以下の3つがあります。

①自分の行動や状態を客観視し、知ることができる
鏡に映したり、スポーツしているところをビデオで撮ったりすることで自分を客観的にみることができる。

②他者に与えている影響を理解できる。人間関係の中で自分の位置あり方を知ることができる
自分自身が周囲に与えている影響について、自分で感じていることと、周囲に伝わっていることのギャップを理解することができる。

③望ましい行動をとり続けられるための勇気づけとなり、望ましくない行動を修正する機会となる。
自分がとっている行動について、それが正しいかどうかを知ることによって、正しければ継続することの勇気となり、間違っていれば修正する機会となります。

 

そして、その伝え方としては以下の2通りあり、それぞれの伝え方があります。
・客観的事実を伝える:Youメッセージで伝える。「あなたは〇〇ですね」
見えている、聞こえている客観的事実を伝える。
解釈や感情をいれない
・主観的事実を伝える:Iメッセージで伝える。「私は〇〇と感じました」
評価を入れずに伝える。
自分が内側で感じた主観的事実を伝える。
「私は・・」と入れることで、伝える側の責任において伝えるということ。

 

一般的には、数値目標があり、それに対しての数値的な差や遅れなどの状況についてフィードバックすることは多いと思います。

これは、目標に対して現在どこにいるか ということのフィードバックです。

 

一方で、目標を達成する上で今どんな行動をとっているのか、どれくらいずれているのかを伝えるフィードバックもあります。

目標達成するには何をする必要があるのか。

例えば、「チームを牽引する立場でいるのに、メールへの返事が常に遅いね。レスポンスは3時間以内にしてほしい。」のように。

その他に、定性的な目標やリーダーや管理職としての役割に対してのような、客観的事実として伝えにくいようなものに対して、主観的事実を伝えることでフィードバックしていくことが可能です。

 

その他、フィードバックには各種留意点、例えば信頼関係や、適切なタイミングで行うなど があって実際には難しい部分もあるのですが、冒頭に書いたように、そもそも本人が目標としているものを知らないとフィードバックはできません。

そのうえで、目標とのズレをフィードバックするわけですから、部下をよく観察していなければできないということになります。

上司としては日々部下を観察し、必要なタイミングでフィードバックすることが求められますね。

 

そして、そのうえで「こうしなさいよ」とアドバイスしてしまったら自律型にはなりません。

目標とのズレを事実として伝えるのみ。いつまでにどうするか は自分で考えてもらいましょう。