チームビルディングって何のため?

働き方改革×チームビルディング

働き方改革はチームビルディングで実現!

人が活きて業績があがる本当の働き方改革を広める
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

先週のブログで私の失敗談を書きました。

チームで目標を目指すときに、始めにビジョンの共有をしておけばよかった ということでした。

いくつか得た学びや気づきを整理してみたのですが、実は、もう一つ考えたことがありました。

それは、あのゲームの目的が 制限時間内に早く正解を導く とするならば、制限時間内に正解を導けたあのやり方は間違っていなかったのではないか という疑問です。

確かにメンバーを置き去りにした感はありますが、正解にたどり着いたからよいのではないか と。

その疑問に対する回答のヒントがこちらの本にありました。

著者の西條剛央さんは「構造構成主義」という独自のメタ理論を創唱。この理論を用い、東日本大震災後の2011年4月、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら日本最大級の総合支援プロジェクトへと成長させた方です。

「チームの力」というタイトルですが、私たちがすすめているチームビルディングと同じというわけではありません。

しかし、

「構造構成主義」は物事の本質からなる原理を把握する学問であり(中略)、いつでもどこでも論理的に考える限り、例外なく洞察できる普遍洞察性を備えた理路を指す。
(同著より)

とあるように、人と組織のことにおいて、チームづくりを再現性高く実現したい という点では参考になる点がたくさんありました。

その一つが、「方法の原理」です。

方法とは「特定の状況において使われる、目的を達成するための手段」と定義される。何気ない定義にみえるかもしれないが、これは方法の本質ー最も重要なポイントーは「状況」と「目的」という2点であることを示している。(中略)
これまで「正しい」と思っていた方法も、状況や目的が変われば「間違った方法」になりうる。この「方法の有効性は、状況と目的に応じて決まる」という〝方法の原理”はいつでもどこでも例外なく妥当する。
(同著より)

チームビルディングとは組織の目的を達成するための手段=「方法」なので、これをもとに、冒頭の疑問を考えてみます。

今回の合宿でゲームに取り組んだ「状況」は、
・この1回限りのチームである
・効き脳A~Dまでの万遍ないメンバーで構成されている
・ゲームの内容は効き脳Aを有効に活かすと有利
・ゲームを解くためのすべての情報はメンバー全員が持っている
で、

「目的」は
・制限時間内に正解にたどり着く

とするならば、冒頭の私の疑問に対しては、情報さえ全員から聞き出せれば、効き脳Aをいかんなく発揮して、幾人かは置き去りにしてもなるべく早く正解にたどりつければよし と考えることができます。

 

ただ、先回も書いたように、全員の目的が必ずしも「ゲームを解くこと」だけではありませんでした。ましてや確認をしていなかったので、目的が単一ではなかったという点で冒頭の考え方は間違いであるといえます。

もし、「目的」が「ゲームを解く」の他に、「メンバー全員が満足すること」とあれば、やり方は違ったでしょう。

このような点からも、「目的」を共有していることが大変重要であることも理解できます。

 

「状況」について言えば、一般的な職場では、1回限りのチームであることはプロジェクト制のような場合を除いてないでしょうし、問題解決の情報をだれがどのように持っているかは不明な場合も多いです。

つまり、だれかを置き去りにするようなことがあると、大事な情報が集まってこなかったり、その後の仕事にも影響するわけです。

また、効き脳Aの優位性だけで仕事が回るわけでもありません(クリエイティブプロセス)ので、だれかを置き去りにすすめることのリスクは大きいと思われます。
*クリエイティブプロセスはこちらのコラムをご参照ください

 

逆に、プロジェクトの様に、特定の目的や状況が明確な場合、そのプロジェクトに合わせたメンバー選定をすることが可能であるし、必要だともいえます。

強みを活かす、ミッション・ビジョンを掲げる、関係性をよくする など、チームビルディングにおいてもさまざまな打ち手がありますが、それらについても、その目的や組織(チーム)の置かれた状況、もっと言えば業種業界、ビジネスモデルなどとの整合を図りながら打ち手を決めていくことが大切なのだと思います。

コンサルタントとしては、このあたりのことを肝に銘じて精進してまいりたいと思います。
(当事者としても実践できるように精進します)

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。