上司によるコーチングが現場でうまくいかない理由

働き方改革×チームビルディング

働き方改革はチームビルディングで実現!

人が活きて業績があがる本当の働き方改革を広める
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

石見式チームビルディングでは、人材力・組織力・関係力の3要素に着目してチームづくりをしていきます。

その中の関係力においては、コーチング的なかかわりが必要だと考えています。
その理由は、人はそれぞれの価値観があり、外側からの刺激では動かないと考えているからです。

つまり、自ら「動きたい」「動こう」と思わないと行動しないということです。

 

組織において業績をあげる、成果をあげる ためには、行動しなければなりませんが、外側からの刺激(外的コントロール)では行動しないとすると、部下の内側の動機に働きかけて行動してもらうことを考えなければなりません。

リーダーの仕事はチームとして成果を上げることですから、部下に対してこういうアプローチが求められるということです。

そこで、「相手に自発的な行動をうながし、目標達成のサポートを行うためのコミュニケーション技術」であるコーチングを用います。

 

コーチングという言葉もあまり珍しくなくなってきて、本を読んだり、研修を受けたりしている管理職の方も多いのではないかと思います。

コーチングと言えば、一般的に、部下に質問して部下に気づかせる と理解されていて、実際に職場でコーチングを使ってみた=質問してみたこともあるのではないでしょうか。

そして、質問ばかりじゃ仕事がすすまない!部下に答えがないのだから教えた方が早い! と感じられた方も多いのではないでしょうか。

そして、コーチングはビジネスには向かない と。

 

私も以前そう感じたことがありましたが、そういう方は、勘違いをされているということに気づきました。

確かにコーチングは部下に質問して部下に気づかせることを大事にしています。

しかし、実際には以下の4つのケースがあります。
ケース1.上司が知っていることで、部下も知っていること
ケース2.上司が知らないことで、部下が知っていること
ケース3.上司が知っていることで、部下が知らないこと
ケース4.上司が知らないことで、部下も知らないこと

ケース1は、お互いの確認のための質問になります。
ですから、上司が留意することは、承認 です。

ケース2では、上司の情報収集のための質問になります。
部下から上司へ事実を伝えることになります。

先にケース4。これはは双方が知らないことですから、有効な質問によって部下が気づき、1歩を踏み出せるように文字通りコーチングするケースです。
今回はコーチングのやり方ではないので割愛します。

そしてケース3。これが今回お伝えしたい、先述の勘違いが多いケースです。
上司が知っていて部下が知らないことを質問でやろうとすると、上司としては部下がなかなか答えにたどり着かないことにイライラします。
そして、上司としては答えにたどり着くような質問、つまり答えに誘導しようとします。
そうなると、部下は誘導されていることを感じるようになります。
結果、不信感が生まれます。

上司としても、初めから教えればよかった となります。
で、コーチングは使えない と。

なので、上司が答えを教える=ティーチング が有効だと考え、結果、なんでもかんでも教えたり、アドバイスする ということになってしまいます。

 

部下が知らないことなのだから教えたり、アドバイスしたりすることで何が悪いのか と思うかもしれません。

ここで留意すべきことがあるのです。

それは、その答えがだれがやっても、考えても、その答えしかないのかどうか。
答えは一つなのかどうか です。

たとえば、PCのスイッチを入れるようなことはだれがやっても同じです。
そういうことは教えてあげればよいだけです。

しかし、例えば、データをまとめるエクセルの表の作り方。
一見、誰でも同じになりそうですが、行列が違ったり、数式のはめ方などに個人差が生じます。

ある人にはやりやすいやり方も、他の人ではやりにくかったり、見づらかったりすることもあり得ます。
そういう場合に教えてしまったり、アドバイスしてしまったりすると、部下は立場上「わかりました」と言うかもしれませんが、やり方を押し付けられた と感じることもあります。

ですから、ここで上司がすることは「提案」「事実を伝える(フィードバック)」といったことです。
「提案」なら、「こういうやり方もあるけど、どう?」とか、「自分はいつもこうやってるよ」といった感じです。
「事実を伝える(フィードバック)」なら、「提案」したことに対して部下から言われたやり方が自分より時間がかかりそうと思った場合「そのやり方だと2ステップ多いから時間がかかるように私は感じるよ」といった感じです。上司が感じている事実を伝える ということで、押し付けているわけではありません。

「提案」や「事実を伝える」ことによって、最終的にはどうするかを部下に決定してもらう ということがポイントです。
これによって、内発的に行動に結びつけてもらいやすくなるのです。

これもコーチングなのですが、質問するということがハイライトされ過ぎて、うまくいかないと悩んでおられる方が多いのではと思い記事にしてみました。
と偉そうに書いていますが、私もチームビルディングのコミュニティにてコーチングを学んでいて、そこで教わった切り口です(^^;

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。