トップダウンかボトムアップか?

働き方改革はチームビルディングで実現!

経営者自身のアライメントと組織のアライメントを整えることで
自然に業績があがる会社にする
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

ここのところ、時間をとって経営者仲間と話をする機会をもちました。

新型コロナの影響もあり、直近の経営に関する問題は切なるものもありましたが、中期的な視点での問題は人と組織のことばかりでした。

中小企業にとっては、採用が思うようにいかなかったり、リソースが不足していることで、「ある年代がいない」とか、「次世代のリーダーがいない」とか、「これを任せられる人材がいない」ということは共通の問題です。

そんな中で、少しずつ任せながら次世代リーダーを育成したり、技術継承したり、工夫をしています。

が、経営者から出てくるのは「なかなか人が育たない」「自分で考えて動けるようになってほしい」というような言葉です。

 

人が育つには、こちらで書いたように経験学習が必要ですので時間がかかりますが、今回はちょっと違う視点で書いてみます。

「自分で考えて動けるようになってほしい」というように、社長としては、社員の自立的な行動を求めます。

私も、人材に制約がある中小企業としては、全員が自立的に働いてこそ全員戦力化が可能であると考えています。

最近ではティール組織と言われる、メンバー一人一人が自分たちのルールや仕組みを理解して独自に工夫し、意思決定していく という組織形態も取りざたされていたり、そこまでいかなくてもボトムアップ型組織が望ましい と言われたりしています。

個人的には、全員戦力化にはボトムアップ型がいいと思っていますが、トップダウンとの併用が必要です。

 

その場合分けについて、ゴールデンサークル理論※というのがあって、それで説明します。
※why・how・whatの3つの円で構成されていて、物事の本質を説明するためのフレーム

「why」 ・・・なぜそうするのか(信念、目的、何のためするのか)
「how 」・・・どうやるのか(商品やサービスの説明、方法、理論)
「what」・・・何をするのか(商品、サービス)

たとえば 働き方改革をやる とか、組織改革をやる とか、これまでは完全トップダウンだったがこれからはボトムアップにする とか、そういうことをやる場合には、トップ=社長がWHYを語るべきです。

ここはトップダウンでなければなりません。

なぜなら、会社として目指すものを社員全員に理解してもらわないとHOWやWHATが的外れのものになったり、そこに共感がないと実効性が低くなるからです。

そういう意味では、なぜ当社はこの事業をしているのか=ミッションは社長が語るべき一番大事なことと言えます。

 

そのうえで、HOWとWHATは現場に任せます=ボトムアップとなります。

これは、現場の方が最適なやり方を顕在的、潜在的に知っている(現場重視)からであり、一方ではトップからのお仕着せでは、これも実効性が低くなるからです。

社員が自分たちがやりたいことを実現できることで、達成すべきことへの責任感が生まれ、結果的にやりがいができ、エンゲージメントが高くなります。
※エンゲージメントが高い組織には、従業員一人ひとりが企業や組織を信頼し、自身と事業の成長に向けて意欲的に取り組むという特長があり、業績の向上が期待できると注目されています。

 

個人的にはこれに付け加えてビジョンを大切にしたいと思っています。

社長がWHYを語る際には、それが実現した姿=ビジョンをありありと語れれば、社員の共感も理解も一つになりやすいでしょう。

そして、現場はHOWとWHATが実現した姿=ビジョンが共有できていれば、みんながどのように働いているかという姿を映像で理解できます。

その結果、社員一人一人がどのように動けばよいかがわかるので、自立的に働くことができるのです。

 

社長はWHYに集中し、HOWとWHATには口をださない。

HOWとWHATは社員に任せる。

経験は資源です。限られた資源を社長が奪ってしまわずに社員に与えるべく、社員に任せてください。それが成長につながります。

もし、社長がHOWとWHATに口を出してしまったら、社員は社長の答えを探すようになってしまいます。

コーチングを学んで「どうしたらいいと思う?」と聞いてみたところで自分の意見を言わず、社長に「正解!」と言ってもらえる答えを答えるようになってしまいます。

自立とは真反対の社員を量産することになってしまいますので、要注意です。

 

それでは、今日はこの辺で。

最後までお読みくださりありがとうございます。