業績を上げようと思ったら業績を上げようとしてはいけない

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

働き方改革とほぼ毎日のように言われていますが、伝える人によってその切り口はいろいろです。

組織の責任者に向けて伝える人。

働いている人に向けて伝える人

働く だけでなく 人生そのものを伝えたい人

 

私は、自身が経営者でもあるので、やはり経営者もしくは管理職に向けて伝えています。

 

働き方改革とは、「社員一人ひとりが自分らしく働いて、会社のミッションに貢献して、業績があがる会社」 になること。

 

一般的に言う、自立型組織 になること と同義です。

自立型組織の3要素、人材力・組織力・関係力 については、このブログでも何度も取り上げていますが、

組織変革の谷をくぐる(タックマンモデル参照)プロセスでは、関係力がとても重要だと感じています。

 

自立型組織における関係力は、コーチング的なコミュニケーションになります。

若手社員が直属の上司、管理職に求めることの第1位は、

「意見や改善点を聞き入れてくれること」

です。

意見や改善点を教えてくれること ではないことがポイントです。

若い社員は意見を持っている。それを聞き、引き出し、気づきを与える というコミュニケーションが求められるのです。

 

こう話すと、若い社員に迎合するのか、自分の方が経験があるのだから教えた方が早い などと捉えられがちですが、そういうことではありません。

経営者、管理職に求められるのは一般的に業績をあげることです。しかし、業績を上げようとしてはいけないのです。

マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム教授が組織の成功循環モデルを以下のように提唱しています。

成果を上げたければ、

①関係の質の向上:相互理解を進め、一緒に考える

②思考の質の向上:一緒に考えることであらたな気づきがうまれる

③行動の質の向上:面白くなるので、自発的・積極的に行動する

④結果の質の向上:結果がでる。

①関係の質が向上する

の順に取り組むこと。

つまり、業績を上げるために関係性を向上させるということなのです。そして、関係性を向上させるには、部下のことをよく知らなければなりません。一方的に指示命令していたのでは関係性は良くならないのです。

 

逆に、業績を上げることに終始すると、

①結果の質:すぐに結果を求めるが、結果が出ない

②関係の質:対立、押し付け、命令で関係の悪化

③思考の質:つまらない、受け身になる

④行動の質:受動的、消極的な行動に

①さらに結果が悪化する

というプロセスをたどります。

業績を上げたいなら業績を上げようとしてはいけない とセミナー等でおはなししていますが、このような理由です。

 

なので、私が進める働き方改革の目的では、業績が上がる としているのです。

決して、業績を上げよう としてはいけません。

 

ただ、関係性の向上といっても、仲良くする というだけではありません。特にコミュニケーションというと、明るい職場にしよう とか、懇親会をしよう ということになりがちですが、それだけではありません。

経験から言うとまずはそこからでも構いませんし、それだけでもかなりの効果があるのですが、目的が業績をあげることにあるので、コミュニケーションについてもどんな情報をやりとりする必要があるのか、どういったときに共有すべきなのか といったコミュニケーションの目的を明確にする必要があります。

そういったことも踏まえて、結果的には社員がやりがいを持っていきいきと働ける会社になるので、会社も社長も社員も幸福になれる というのが、本当の働き方改革だと考えています。