社会で必要とされる自律力

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

この週末は富山まで研修合宿に行ったのですが、その道中でこの本を読みました。

著者の工藤校長先生には、(一社)ワークライフバランス東海で行った、先生の働き方改革フォーラムにお越しいただいて基調講演をしていただいたご縁もあり、また、私自身が先生の働き方改革に少し携わっていることもあり、早速購入し、一気読みしました。

フォーラムでお話しいただいたときのブログはこちら。

その時もすごく共感したのですが、今回読み終わって、月並みな表現ですが、あらためて感動です。

 

前回と同様に、学校で実施した数々の施策についても当然に素晴らしいと思うのですが、改めて思うのは、工藤先生のリーダーとしての覚悟についてです。

教育困難校に赴任したとき、逃げることなく、生徒と共に汗をかき学校を変えていかれました。そして、その経験から難しいミッションと対峙する中で一教員としてできることに限界を感じ、問題を解決に導き、学校をよくしていくためには組織を動かすことが不可欠であり、そのためにはトップに立たねばならないと考えたとのことでした。

その工藤先生自身も、子供のころはリーダーになんてなりたくなかった。できることなら2番がいいと思っていたほどだというのですから、その覚悟について、私自身もいろいろ考えさせられるところがあります。

 

工藤先生は、学校はなんのためにあるか の問いに「子供たちが社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにあると考えています。

そのために、子供たちには「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質、すなわち、『自律』する力を身につけさせていく必要がある」と。

そのために、社会との接点をもてる機会、それも一方的に学ぶだけでなく、自ら考え提案するようなプログラムをたくさんつくったり、社会とのコミュニケーションの機会を増やしたりしています。

そして、一番感銘を受けたのは、目的と手段を取り違えず、上位目標を忘れずに、そして、人と人は違うのだから衝突するのは当たり前で、それを誰かのせいにすることなく当事者意識をもって、子供たち自身が時間をかけて対話し、合意形成していくことを大事にしていることです。

 

まさに、ポジティブアプローチにより、お互いが安全・安心な場で必要な意見交換、対話することで、より良いものを創り上げていく、チームビルディングの考え方です。

そして、ふと思ったのです。

こんな素晴らしい子供たちが社会に出てきたとき、わが社はきちんと受け止められるのだろうか と。

一方で、私が考えている組織(会社)像及び求める社員のコンピテンシーと工藤先生の考えていることは相違ありません。

私が考えていること、進めようとしていること を躊躇なく進めるために背中を押していただいたような気がします。

 

社会人とて、自律しているとは言い難い。会社で働いてはいるものの、人生においては夫婦であったり、PTAでのかかわりであったり、スポーツ少年団での指導であったり、さまざまなコミュニティで衝突したりすることはあるわけで、それぞれでお互いを尊重し対話を重ねられることが望まれるのです。

そこで学ぶこともできますが、会社においても学んでいかなくてはならないと考えます。

大袈裟ですが、会社とは自分の人生を生きていくことを学び続ける場 であってもいいのではないかと。

少なくともわが社においては、自律して生きていくことを学べる場 としたいと思いました。

そして、これが多様な社会に求められる組織であるので、何ら矛盾することはないと考えます。

そして、わが社だけでなく、社会全体がそうなっていくことが望ましいとも思います。

残念ながら、働き方改革のコンサルに入っている企業でも、仕方がないからやっている、やるしかないから残業してでもやっている  といったような考え方で仕事をしている若手社員もいます。

一人ひとりがイキイキと働ける自律した社会創りに賛同してくれる社長や企業に向けて、そういう組織づくりを支援していけたら光栄に思いますし、覚悟を持って進めていきたいと思います。

 

それでは、今週もよろしくお願いいたします。