成人発達理論から組織を考える

働き方改革×チームビルディング

働き方改革はチームビルディングで実現!

人が活きて業績があがる本当の働き方改革を広める
現役経営者でありチームビルディングコンサルタントの梶川です。

 

この週末は私が関わっている(一社)ワークライフバランス東海の総会及びセミナーでした。

東海地区にワークライフバランスを広めたいと有志で設立して、これで丸3年が経ちました。

愛知県、岐阜県、静岡県、三重県及び各県内市町村等の自治体からの委託により、研修やコンサルティングなどを請け負うなどしてまいりました。

4年目に突入するにあたり、一般公開の記念セミナーとして会員でもあり、先日出版された有冬典子さんに講演していただきました。

講演テーマは「戦わないのに無敵のリーダーシップ」

成人発達理論による自己成長のプロセスに基づいて、現代に求められるリーダーシップについてお話しいただきました。

有冬さんが出版された本はこちら。

成人発達理論の詳細は本を読んでいただくとしまして、今回は、成人発達理論から組織について考えてみました。あくまでも個人的解釈なので思い込みなどご容赦ください。

 

成人発達理論では、4つのリーダーシップ(実際にはそれ以上あるとのことでしたが、代表的な理解として4つを挙げられていました)があるとのことです。

ちなみにリーダーシップとは影響力のことで、役職などとは関係なく、それこそ赤ちゃんからリーダーシップはもっています。

第2段階(エゴリーダー)・・利己的、道具主義的段階。思春期の頃など、まだ自分主義的で社会性を持っていない段階。

第3段階(八方美人)・・他者依存的、慣習的、コミュニティ優先、周りに合わせる気配りの段階。多くはこの段階にいる。日本人は特にここにいることを求められる社会性が強いかも。

第4段階(コアリーダー)・・自己主導、自己主述段階。周りに合わせていた第3段階から、黒いものは黒いと言えるようになる段階。コアな願いをつかむ自愛の段階。

第5段階(より成熟したコアリーダー)・・相互発達、自己認識段階。社会のために自分を使うというような、慈愛の段階。

それぞれの段階に良し悪しがあるわけでもなく、また、置かれた状況によって同じ人でも段階を行ったり来たりするそうです。ただ、上の段階に移行すればするほど、恐れが減っていく。

恐れとは、損をするかも、嫌われるかも、無価値と思われるかも といった、自分自身が自分に抱いているものです。

 

これをティール組織の中で用いられている色で例えると、第2段階はレッドやアンバー、第3段階がオレンジからグリーンに、第4段階になるとティールに向かっている、もしくはティールになっている感じ と表現されていました。

実際、そういうイメージかなと思うのですが、もう少し細かく考えていこうと思います。

社長が第2段階の場合、組織はレッドやアンバーになると思います。

社長が第3段階の場合、みんなを大切にするようなオレンジやグリーンになると思います。

そして、オレンジやグリーンの場合、周りと調和することを大事にするため、経営者としては都合がいいとも言えます。ですから、そのままの組織形態で経営していくのではないかと推察されます。

しかし、社員が大量にやめていったり、社員からの不平不満がどんどん上がってきたりすると、社長としては自分自身や会社の存在意義、目的などを考えだすのではないかと思います。

その結果、社長が第4段階に成長し、会社としてグリーンの先を目指すようになるのではないかと。

自分自身のミッションやビジョン、会社のミッションやビジョンを再考するタイミングになると思います。

 

一方で、社員側からみると、

社員の大半が第2段階の場合、自己主張のしあいが強く、社員の入退社が頻繁にある会社ではないかと思われます。社長も第2段階の場合はそのままで、社長が第3段階であれば、社会性を保つ教育・育成を実践していくのでしょう。

社員の大半が第3段階の場合、社員同士は仲良く、お互いを思いやる会社なのだと思います。ただ、行き過ぎた同調圧力が強い場合、黒を白と言えなくなり、大事なところで顔色をうかがうなど、経営の判断を見誤ることも起きかねません。

また、社員の中で第4段階に成長した者は、居心地が悪くなり退職していくことになると思われます。

第4段階というのは全体の2割程度というお話しでしたので、社員の大半が第4段階であることはあまり考えられませんが、ティール組織はそれに近いのではないかと思います。社員自身が自分のすべきこと、やりたいことを持ち、それを実践できる場としての会社がある。会社の目的と自身の目的に関連性があり、共に成長していける組織ではないかと思われます。

 

個人にしても、組織にしても、上の段階にいけば良い というものではなく、また、成長しなくてはならない というものでもなく、必要なときに必要に応じて変化していくものであることは間違いないようです。

ただ、人口オーナス期に育ってきた若者たちは、私たちの頃より明らかに 自分 というものを意識しているように思います。ということは、第4段階に成長していく可能性が高いのではないかと。

組織の生産性や創造性ということを考えた時に、第4段階の人が機能することが必須です。ということは、そういう社員が活き活きと働ける環境を会社としては整えておくことが大事だと思います。

つまり、第3段階的な同調圧力が強くなるような会社ではなく、人と人は違うことを尊重しあえるような会社になることではないかと。まさに、チームビルディングで目指しているものだと思いました。

 

一方、第2段階をきちんと経ずに第3段階に突入した人は、自分を主張するということが苦手だそうです。だから、アサーションのトレーニングなどが必要になるとのこと。

また、自分が強い若者は第2段階のまま社会人になることも多くなるそうです。

 

いずれにしても、経営者としては、第4段階、第5段階と成長していることが、組織の器を大きくできるのではないかと思います。ただ、成長しようと思って成長できるものではないので、成長していける機会を得ることが大事になるのでしょうね。

 

それでは、今日はこの辺で。今日はちょっと長くなりました。

最後までお読みくださりありがとうございます。