本当の働き方改革でなぜ残業は大きく減るのか?

働き方改革×チームビルディング

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梶川です。

 

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立し、超長時間労働の場合にはその是正、つまり残業時間の削減が待ったなしになりました。

弊社の場合も、ワークライフバランスに取り組む前ならOUTでしたが、今では問題ありません。
取り組む前に比較して、80%程度の削減となっています。
(弊社の取組みはこちら

 

では、どんな取り組みによって減ったのか。

よく、質問されることでもあるので、社員に聞いてみました。

 

第一声

「なんでですかね~?」

 

何人かに聞いてみましたが、みんな同じ答えです。

具体的な削減取組名は出てきません。

 

共通して出てきたのは

「早く帰ろう という意識はみんな持ってますよね」

「意識じゃないですかね」

ここ2,3年入社の社員では「早く帰るのは当たり前ですよね」という感じです。

 

しかし、「意識」? なんという曖昧な!

私も研修したり、コンサルしたりという立場もあります。残業削減は意識です というだけでは納得していただけません。

 

しかし、これが事実です。

弊社の場合は、残業削減は課題として掲げていましたが、残業削減のために〇〇する という課題はなかったのです。

一般的に、仕事での無駄の削減をしようということで、実際の仕事とそれにかかっている時間を洗い出して一覧表やグラフに整理して、この仕事をなくそう、この仕事を減らそう と残業削減だったり効率化だったりの課題を設定します。

これでもある程度は残業が減ると思います。が、8割、9割といった削減は無理です。

 

それは、なぜか。一覧表に洗い出された仕事以外のところでの非効率が大きいからです。

例えば、会議にてほとんどの参加者が納得していない結論に、忖度によって決定され、その後それが失敗に終わったときのムダ

あの上司のいうことは聞きたくないから、言われたことは後回し もしくは 保留 といった、好き嫌いが優先してしまうムダ

ある仕事が部署をまたいで実行されている場合、自分たちの削減案がもう一方の部署の負担増になる場合、反対されて頓挫する

など。

 

つまり、残業削減ひとつとってみても利害関係者が複数いて、それぞれがそれぞれの価値観で仕事をしているので、小さなグループ単位とか個人単位での削減になってしまい、大きな成果は生まれないという結果になってしまうのです。

これを、石見さんのチームビルディングではルービックキューブのようだと例えています。

 

1面揃えた後に、2面目を揃えようとすると1面目が崩れる。

人や組織の課題はこれに似て複雑なので、順番に揃えようとおもってもうまくいかないのです。

つまり、6面一緒に揃えていくことが重要です。
(余談ですが、私はルービックキューブ6面揃えられます。5分くらいかかりますが(^^; )

 

では、どうするか。

6面揃った状態を共有することです。ビジョン、目的を共有するということです。そして、そのビジョン、目的をメンバー全員が共感していることが必須です。

弊社の場合は、関わる全ての人が幸福になる組織になる。そのための方策として、残業削減の実現や属人化の排除、フレックスなどの制度の導入、ITツールの導入などを行ってきて、その過程で意識の醸成がすすみ、今に至っています。

専門技術サービス業でもあるので、ブラックボックスになりやすい具体的には目に見えない無駄が、メンバー共通の目的意識のもとで省かれていったと思います。個別にそれを洗い出そうと思ったらきわめて困難だと思いますし、自分では気づけないでしょう。だから、具体的な「有効な残業削減策」として出てこないのだと思います。

 

「強いて言うなら」ということで出てきたことは、「頼まれサービス仕事を断れるようになった」と言っていました。これについては、改めて書きたいと思います。

 

それでは、今週もよろしくお願いいたします。